【特集】“運命のタックル”が変えた2人のラガーマンの未来 ケガした選手は「頸椎損傷」、ケガさせた選手は“縦隔がん”に…試練と闘いながら再びグラウンドでの“ワンプレー”を目指す、2人の友情と復帰に密着
(田中さん) 「男同士なので、正直、用がなかったら連絡も取らない感じなので。元気でラグビーしている姿を見せてあげられれば、と思います」
がん宣告から5年が経った、2022年8月。ライバルや周りの支えもあり、田中さんの病状は回復しました。 (田中さん) 「今は、かなりできることも多くなって、徐々に体を動かせる喜びを感じながらやっています。『ディビジョンワンで1試合でも多く試合に出られること』を目標に掲げて、やっています」 しかし―。
経過観察のため病院を訪れた田中さんの口から、思いもよらない言葉が…。 (田中さん) 「正直、ラグビー引退します。戻れない。これ以上できない。治療に専念しないといけないので」
医師から告げられたのは、再びの“がん宣告”でした。 Q.前回より深刻だったんですか? 「深刻ではないけど、がんの場所も出てきていなので、初期といえば初期ですけど…。もう、ちょっと、どうしようもないです。ちょっと待ってください。何していいか、わからない。何からしていいか、わからない。…もう、今日はお帰りください。ありがとうございました。ごめんなさい」 この日を境に、田中さんからの連絡は途絶えました―。
がん治療中もウエートトレーニングに励み、ラグビー選手として復活!いつかまた、2人でラグビーを…「『頑張ったらやれる』。僕の頑張る源」
がん再発から1年7か月経った、2024年2月。 再びグラウンドに、田中さんの姿がありました。治療の末、ラグビー選手として復活を果たしたのです。 (田中さん) 「去年は入院していて、何もできなかったので、何もかもが新鮮だし、一歩一歩進んでいると思います」
中川さんも、復帰した友人・田中さんの姿を見守りました。 (中川さん) 「体、めっちゃデカくなっていますよね。がんですよ?がん治療中もウエートトレーニングしていたって、言っていました。世の中探しても、コイツだけやと思います」
(中川さん) 「やっぱりタックルは健在だなと思いましたし、がんだったのにあれだけ動けるのは、すごく努力したんだなと思いました。『頑張ったらやれる』というところを伸弥は見せてくれて、僕もそれが支えというか、頑張る源になっているので。本当にすごい奴だと思います」 “ワンプレー”が変えた、2人の未来。お互い望むのは、ただ一つ―。 (田中さん) 「もう一回、『ラグビーしよう』って言いたいです」 (「かんさい情報ネットten.」2024年2月23日放送)
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