最近、変わったことは? 必ずある、適応障害の原因「ストレス」を見きわめる
「仕事をする気が起きず、出社がいやになってしまう」、「夜になると気持ちが落ち込み、眠れないし食欲もない」、「つらいできごとを思い出しては苦しくなって泣いている」……。病院に行くほどではないけれど、不安や抑うつの症状があるのなら、適応障害になっているのかもしれません。 【画像】習近平の第一夫人「彭麗媛」(ポン・リーユアン)の美貌とファッション 適応障害とはストレスに適応できずに起こる、病気と健康の境目にある「状態」のこと。症状が軽いため、ストレスがなくなれば6ヵ月以内に回復するといわれています。しかし重症化すると、うつ病やPTSD、不安症など、ほかの病気に移行することもあるため油断はできません。 この連載では『適応障害のことがよくわかる本』(貝谷久宣監修、講談社刊)から、全8回にわたり、適応障害の対策を立てるためのヒントをご紹介します。今回は、適応障害の原因となるストレスについて詳しく解説。意外なことがストレスになっている場合があるので、まずは自分が抱えるストレスに気づくことが重要です。 適応障害のことがよくわかる 第4回
ストレスが「反応」ではなく「症状」に至ったのが適応障害
ストレスは誰にでもあるもので、生きていくうえで必要なものといってもいいでしょう。ストレスなどはないという人でも、じつは気づいていないだけなのです。 ストレスがあっても、なんとなく解消されていたり、自力で乗り越えていったり、感じ方も対処のしかたも人それぞれです。なかにはストレスによって心身に影響が及び、不調になってしまう人もいます。こころに影響が及び、支障をきたした病気が適応障害です。 適応障害は、発症の原因となったストレスがはっきりしていることが特徴です。ほとんどはストレスから3ヵ月以内に発症します。適応障害では、ストレスに気づくことが治療の第一歩となります。 【ストレスはこんなふうに現れる】 ●行動に出る 体やこころに現れた症状を打ち消したり否定したりするための行動を起こす。泣く、抗議する、八つ当たりなどのほか、スポーツ、おしゃべり、飲酒、買い物のようなストレス解消の行動も。 ●こころに出る ストレスがかかった初期には、緊張、焦り、怒り、混乱などの急性のショック症状として感じる。やがて慢性的な不安や抑うつ、落ち込みなどが続き、適応障害に結びつくこともある。 ●体に出る ストレスがかかったときに、動悸、息切れ、ふるえなどの身体反応が現れる。ストレスが長びくと、こうした症状が続いたり、肩こりや不眠などの慢性的な症状が現れたりする。