“不倫旅行”の裏側を元旅行会社社員が暴露「手配は“阿吽の呼吸”」「最も気を使うのが連絡方法」
旅行会社の“秘密保持”は絶対
旅行会社に旅行の情報が残るのが怖い――。 そう思う人もいるだろう。しかし安心してほしい。旅行情報は、基本的に申込者本人にしか開示されない。秘密保持や個人情報保護法の厳格化に伴い、旅行会社の情報管理はますます厳しくなっているのだ。 ただし、秘密保持だけでは十分ではない。内容は伝えなくても「旅行会社からの電話」によって疑われるケースもある。例えば、家族と過ごす時間帯に電話が来たり、不在時に自宅に電話をかけてしまったり……。 こうなると、いくら旅行会社が内容を話さなくても疑念は生まれる。相談時に連絡の方法や郵送など細かく決めておくのが鉄則なのだ。
家族から疑われない「連絡方法」に気を使う
旅行会社の秘密保持や個人情報の保護は厳しいが、連絡による疑いまではコントロールできない。最も気を使うのが「連絡方法」だ。 「家には絶対に連絡しないで」 「この時間帯なら大丈夫」 「緊急時以外は、このサブ携帯に連絡して」 こんな要望は日常茶飯事。旅行会社は、これらの情報を細かく記録し、スタッフ全員で共有している。 例えば、連絡可能な時間帯を「平日の10時から16時まで」と指定されれば、その時間外には決して連絡を入れない。また、指定された連絡先以外には絶対に連絡しないよう、徹底的に管理されているのだ。メールや郵便物も、送付先や件名の確認をするほか、旅行会社の名が入っていない白封筒を使うなどの工夫をすることもある。 ただし、注意点がひとつ。「緊急連絡先」は、原則として配偶者や家族になる。命に関わる事態や重大事件の際は、どうしても家族に連絡がいってしまうのだ。この点だけは、覚悟しておく必要がある。
人生を狂わすほどのリスクも…
不倫旅行。その言葉には、刺激的な魅力とハラハラするような危険が同居している。 旅行会社は、訳アリかどうかを問わず、内容を申込者本人以外に伝えることはない。しかし、不倫が疑われて探偵による調査が入ったり、大きな事件の可能性があり警察が動いてしまえば、手配する旅行会社側の秘密保持や配慮もほとんど意味をなさなくなってしまう場合もある。 もちろん、本人や不倫相手の言動によって家族にバレてしまうこともゼロではない。 例えば、家族旅行では行っていないはずの土地の思い出話をしたり、うっかりSNSへ投稿してしまったりするなど、思わぬところから疑惑が浮上する。さらに、クレジットカードの明細や、スマホの位置情報など、テクノロジーの発達により以前よりも発覚のリスクが高まっていることも事実だ。 裏方として旅行会社ができるのは、プランの相談から帰宅までのやりとり。そこまでは最善を尽くすが、プライベートの部分は本人たちにかかっている。 当時、不倫旅行の予約で来店していた方は、ずいぶん前から来ていないらしい。破局したのかバレてしまったのか……。その恋の行方はスタッフ一同知らないようだ。 不倫旅行は胸が高まるかもしれない。しかし、その裏には人生を狂わすほどの危険も潜んでいる。 <取材・文/小林さえ>
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