ハマスが人質2人のビデオ公開、停戦を検討中-ブリンケン氏リヤドへ
(ブルームバーグ): イスラム組織ハマスは27日、2人の人質が生きている様子を映したビデオを公開した。ハマスはパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放に関するイスラエルからの最新の提案を検討している。一方、イスラエルは新たな大規模地上作戦を準備しており、ビデオ公開はこれを中止するよう、ネタニヤフ首相への圧力を強める狙いがあるようだ。
ハマスの軍事部門は、人質となっているキース・シーゲル氏(64)とオムリ・ミラン氏(47)が短い会話をするビデオを投稿した。
ハマスは仲介国に対し、13日に同組織の立場について伝達。イスラエルの提案は、それに対する回答だという。ハマス高官のハリル・アルハヤ氏が声明で明らかにした。ハマスは同提案の検証が終わり次第、回答する予定だとした。具体的な時期は示さなかった。
米国など18カ国は25日の共同声明でハマスに対し、ガザで行方不明あるいは人質となっている自国民の解放を迫った。行き詰まっている戦闘休止交渉に弾みをつけさせ、より多くの人道支援に道を開くことが狙い。ハマスは米国や欧州連合(EU)などからテロ組織に指定されている。
ハマスは人質「即時解放」を、米国など18カ国が共同声明-拘束200日超
イスラエルがガザ地区南部ラファへの地上作戦を行う計画に対し、国際社会から懸念の声が高まっている。ラファには多くのパレスチナ住民が避難しており、ネタニヤフ首相はハマスとの戦闘休止合意を求める圧力に直面している。イスラエル国内では人質解放の安否に対する懸念の高まりで新たなデモが行われた。
イスラエルの放送局チャンネル12によると、26日に訪問した高級レベルのエジプト代表団に対し、イスラエルは同国が大幅な譲歩をしたと述べ、今回の提案はラファへの地上作戦に踏み切る前に合意するための「最後の機会だ」と伝えたという。匿名のイスラエル高官を引用して報じた。
バイデン米大統領は27日ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)で、すべての人質が解放されるまで「私は休まない」と宣言。「私は人質とその家族に約束する」とし、解放された米国籍のアビゲイル・イダンちゃん(4歳)と今週面会した写真を掲載した。