高津監督がドラフト会議でつけたIDをプレゼントされた中村。監督のサインとともに「神宮で待ってます！」とのメッセージが添えられた

ヤクルトにドラフト1位で指名された愛知工大・中村優斗投手（21）が25日、愛知・豊田市の同大で小川淳司ゼネラルマネジャーらから指名あいさつを受けた。最速160キロ右腕は、再び野球日本代表「侍ジャパン」のトップチーム入りを目指す。ドラフト2位の愛知・豊川高、モイセエフ・ニキータ外野手（17）、同3位の社会人・セガサミー、荘司宏太投手（24）も指名あいさつを受けた。 緊張のドラフト会議から一夜明け、屈託のない笑顔を浮かべた。中村が「神宮で待ってます！」とヤクルト・高津監督が記したドラフト会議のIDパスを小川GMから受け取り、喜びの余韻に浸った。 「実感は湧いてきて、より今以上に頑張らないといけない。将来はスワローズの中心選手になれるように頑張りたい」 最速160キロを誇り、大きな故障歴がないというタフさも魅力の右腕。愛知リーグでは通算301奪三振を記録するなど奪三振能力も高い。今年3月に行われた欧州代表との強化試合で野球日本代表「侍ジャパン」のトップチームにも選出された逸材だ。 出身は長崎県諫早（いさはや）市。地元のスターには2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪の体操男子個人総合で連覇を達成した内村航平氏がいる。小学校時代には諫早市のイベントで見たこともあり「内村航平さんは諫早のスター。（広島の大瀬良ら）長崎（出身）のプロ野球選手も本当にすごい投手がいるので、いずれは追い越せるような投手になりたい」と思い描いた。 そのためにもプロ野球界の〝金メダルロード〟を目指す。まずは開幕1軍を目標に掲げ、その先には新人王を見据えた。さらに2026年に行われるワールド・ベースボール・クラシック（WBC）への出場も目標。ドジャース・大谷らとの共闘へ「もう一度日の丸を背負いたい」と誓った。 ヤクルトとの縁もあった。今年7月に神宮球場で行われたオールスターを1人で生観戦。「将来プロ野球の世界で戦っていくことを想像してみていた。実際にスワローズに指名されたので、何かの縁かなと感じました」。ゆくゆくは日本代表で共にプレーした村上と本拠地神宮のお立ち台に立つのも夢。中村優は「雲の上の存在である村上選手と一緒にヒーローインタビューをできるように頑張りたい」と青写真を描いた。（森祥太郎） ★金丸をライバル視「負けたくない」

中村は侍ジャパンでともにプレーし、4球団競合の末に中日に1位指名された関大・金丸にライバル意識を燃やした。ドラフト指名後もLINEでやり取りをするほどの仲だが「負けたくないという気持ちは強い。プロでは同じリーグなので、金丸よりもいい成績を残したい」と目を光らせた。