大社フィーバーに沸いた1年、全国の球児に希望を与えた93年ぶり8強!【2024島根県の高校野球】
2024年も、残りあと10日あまりとなった。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。 2024年島根県大会の結果一覧 今年の島根は熱かった。夏の甲子園代表、大社が3勝を挙げて8強入り。夏甲子園での3勝は初のことで、8強入りするのは大社中時代の1931年以来、93年ぶりのことだった。 初戦で優勝候補に挙がっていたセンバツ準V・報徳学園(兵庫)をいきなり下した。初回に2点を先制すると7回にも1点を追加。先発の馬庭 優太投手(3年)が1失点完投勝利を挙げ、プロ注目右腕・今朝丸 裕喜投手(3年)に投げ勝った。 勢いにのった大社ナインは、創成館(長崎)、早稲田実(西東京)と立て続けに延長タイブレークにもつれ込む接戦を制して、8強入りの歴史的快挙をやってのけた。馬庭がキレのある直球、変化球で打者を打ち取ると、打線は粘り強く、スクイズなどで得点を重ねるなど、勝負強さが光った。特に早稲田実戦では、9回にスクイズで同点にして延長戦に持ち込むと、149球を投げきった馬庭が11回に自らサヨナラ打を放ち、歓喜の涙を流したシーンは、つい最近のことのように、鮮明に目に焼き付いている。 春は益田東が優勝を果たした。大社はその益田東に春の3回戦で逆転負けを喫し、夏への糧としていた。 秋は出雲商が62年ぶりの優勝を果たした。夏の準々決勝で大社に敗れていたが、大社の甲子園での活躍に刺激されたのか、新チームとなって秋に快進撃をみせた。 大社は、新チームとなった秋は津和野に敗れて初戦敗退を喫したが、2024年の島根の主役だったことは紛れもない事実だった。