ゴスペルを歌って虐待を防ごう 富山市で取り組み
KNB北日本放送
11月は児童虐待防止の推進月間です。「合唱のように子育てもみんなで!」をテーマに、ゴスペルを歌って虐待を防ごうという催しが、富山市で開かれました。 「Don’t give up」「my brother~」 今月3日、富山市の中央通りにあるカフェで開かれた「オレンジゴスペル」。オレンジは、虐待防止を呼びかけるシンボルマークカラーです。そしてゴスペルは、聖書をベースにした全身で歌う宗教音楽。子育てしやすい環境づくりを音楽を通して呼びかけようと、2011年から続く全国ツアーの一環です。 教えているのは、ニューヨークのゴスペル音楽アーティスト、ダニー・イーソンさん。この取り組みに賛同し、自身がつくったオレンジゴスペルの応援歌「Don’t Give Up」を指導しました。 参加者のなかにオレンジ色の髪をした女性が。高岡市を中心にDV被害者の自立を支援している沙魚川万紀子さんです。 レッスンの合間に沙魚川さんは、イベントを企画したニューヨーク在住のゴスペル音楽プロデューサー、打木希瑶子さんと対談しました。打木さんは、アメリカ人の元夫からDV被害を受けていたと話しました。 打木さん「私が鬱だという状態に気がついたのは、息子の学校のスクールカウンセラー。様子がおかしいことに気づいて勝手にね、そのカウンセラーのソーシャルワーク、アポを取られちゃったんですその場で。いろいろあったんですねと言われたの。その瞬間にわーと、どこから涙がこんなに出るの、わーと涙が出てきて」 一方、沙魚川さんは、富山では第三者が家庭内の問題に介入しづらいと話します。 沙魚川さん「学校の相談員をしたことがあるんですけど、絶対この子には(支援が)必要だよねって思っても、やっぱり家族の中に入っちゃいけない。頼まれてもいないのにしちゃいけませんみたいなムードが。お節介おばさんっていうのは積極的介入かと私は思っていたんですけど、節度ある介入、節度ありすぎるのもだめ」 2022年度に児童相談所が対応した全国の児童虐待の相談件数は、21万4800件余り。「心理的虐待」が最も多く、次いで「身体的虐待」です。虐待しているのは、「実の母」が最も多く(48%)次いで「実の父」(42.6%)さらに「実の父以外の父親」(5.1%)となっています。 ダニーさんが、世界中の人を励まそうと作った楽曲です。 歌詞)あきらめないで顔を上げて、勝利は目の前、喜びはまもなく、絶対にあきらめない」 打木さん「虐待をなくすためには、やはり母親をみんなで社会が守ってあげなきゃいけない。アメリカと比較して、女性があまりにも負担が大きすぎる。社会でもっとみんなができることがありますよ、子育てしてる人たちをみんなでほめようよ、それを呼びかけています」 沙魚川さん「歌っている時にすごく、いろんなことに負けないっていう気持ちがわいて出てくる感じがあって。気負わずできる中で(DV支援活動を)ぼちぼちやっていきます」 対談と合唱を通して参加者は。 参加した男性「会ったこともない人も、一緒にワンボイスで楽しく歌えたのがよかったなと。やっぱり相手に愛を持って接するっていうのが大事かなと思った」