人が辞めていく「ザンネンな組織」が社員に「禁止していること」・ワースト1
まずは、相手のキーワードに名前をつけて提案する。 いきなり「外に出よう」とは言わず、まずは上長やチームメンバーの困りごとや関心ごとを言語化しよう。その人が解決したい課題や興味・関心の対象からキーワードを見つける。そうして、そのキーワードを解決するための知識や方法が外にあるから出てみよう。このような論理展開で話をするのだ。 たとえばあなたの隣の席の情報システム担当者が、情報セキュリティ対策で悩んでいるとする。あなたが情報セキュリティ担当者が集う社外コミュニティを知っている場合、こう切り出してみてはどうか。 「情報セキュリティ対策で悩んでいる人たちの集まりがありますけれど、よければ顔を出してみてはいかがでしょう?」 外に出ることを目的にしてはうまくはいかない。外に出るのは課題解決や目的を達成するための手段であると伝えるのだ。 ● 一緒に外に出てみる 一人で社外に出るのに勇気が必要な人もいる。そもそも社外に出ることをよしとしない風土が色濃い組織では、なおのこと外に出るのを怖がって当然だ。 そこで、あなたも一緒に外に出よう。 「私も一緒に(外の人たちとの交流の場に)参加しようと思います」 「よろしければ、私と一緒に外に出てみませんか?」 このような一言を添え、相手を外に連れ出そう。 ● 大義名分を探して掲げる 外に出ることを正当化するための大義名分を探して掲げ、組織の理解を得よう。 最近であれば「人的資本経営」などは企業が健全に発展、成長するためのキーワードとして世間の関心度も高く、外に出て学習する取り組みと紐づけた理解も得られやすい。「ダイバーシティ」や「イノベーション」なども外に出ることの合理性や妥当性を意味づけしやすいだろう。「ガバナンス」も組織の窓を開ける大義名分として悪くない。内向きの社風が行きすぎて不正が横行し、社会的な制裁を受ける企業は少なくない。 新たな行動を正当化するための大義名分を探してみよう。 一歩踏みだす! ・相手の課題を言語化し、解決のために外に出る提案をする ・あなたも一緒に外に出る ・外に出るための「大義名分」を探す (本稿は、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)
沢渡あまね