ムチ尻はクルマの進化そのものだった説!?
オヤジを惹きつけてやまないムチ尻クルマ。そこにはちゃんと化学的理由があったんですというお話。旧車から最新までその進化の過程から紐解きますよ。 色っぽグルマはお尻がちょいムチ♡
走る、曲がる、止まるに特化すれば 最後にたどりつくのはやっぱりココ
光と影が織りなす歴史的"美尻" 揺れ動く谷間は、レーシングカーとロードカーの境界線ともいえるもの。そこには現代のマセラティへと続く物語の第一章がありました。
◆ マセラティ A6GCS ベルリネッタ ピニンファリーナ/マセラティのコンセプトを確立した記念すべき一台
葉巻型フォーミュラカーをロードカーに仕立て直したA6GCSは、わずか54台が生産されたのみ。写真のベルリネッタ ピニンファリーナはさらに少なく、たった4台しか造られなかったそう。レーシングカーの性能と公道も走れる快適性を組み合わせるマセラティのコンセプトは、このモデルで確立されたといいます。
「お尻が始まりだった」というのは奇妙な書き出しですが、クルマの歴史においてお尻がそのくらい重要な役割を果たしたというのは本当の話です。 まずご紹介したいのは、マセラティの基礎を築いたとされる「A6GCS」。もともとは葉巻型をしたレーシングカーでしたが、タイヤがむき出しのままでは公道を走れない。そこでタイヤにカバーを取り付け、それをボディと一体化したら、こんなスタイリングになってしまったというシロモノです。つまり“公道も走れるレーシングカー”がコンセプトというわけですが、その名残はお尻の形にもしっかりと表れていて、葉巻部分とタイヤをカバーする部分の間に谷間が生まれ、これがムチ尻と相まってなんともいえずセクシーな佇まい。 もう一台はロールス・ロイスが生み出した初のEV「スペクター」。ご存知のとおり、EVにとっては1回の充電で何㎞走れるかが命。これを延ばすにはエアロダイナミクスが重要になりますが、ロールス・ロイスは流れるようなクーペラインでこの要求に応えました。そのふくよかなお尻は、男ゴコロをくすぐってやみません。クルマの歴史の始まりであるGTカーも、テクノロジーを詰め込んだ最新EVカーも、双方お尻がムッチリという奇妙な共通点が示すもの。それは、お尻の追求はクルマ本来の性能の追求でもあるということなのです。