【選手権】Aブロックに青森山田、静岡学園、東福岡、尚志など強豪ズラリ
複数の優勝経験を持つチームや、全国区の強豪が集い激戦区と評されるのがAブロックだ。第1シードの青森山田(青森)はDF小沼蒼珠(3年)、MF谷川勇獅(3年)、別府育真(3年)など昨年の日本一を経験した選手はごくわずかで、様々な選手がプレミアで経験を積みながら、チーム力を高めてきた。インターハイ優秀選手のGK松田駿(2年)だけでなく、DF伊藤柊(3年)、MF川口遼己(3年)など実力者はいるため、今年も上位候補に入るだろう。ただ、2回戦で対戦する高川学園(山口)もプリンス中国で2位となった実力校。主将のDF沖野眞之介(3年)を中心に手堅い試合運びを進めてくるため、決して勝つのは簡単ではない。 【フォトギャラリー】昨年度決勝試合風景 3回戦で当たる有力候補は静岡学園(静岡)。開幕5連敗を喫するなどプレミアの前期は苦戦が続いたが、後期に入ってプレー強度がアップ。11月半ばに行なった大津戦後には川口修監督が「守備もしっかり耐えられるようになった」と手応えを口にするなどチーム力は上がっている。県予選MVPのDF岩田琉唯(3年)、MF天野太陽(3年)に加え、FW佐々木雄基(2年)ら下級生も台頭。怪我続きだった川崎フロンターレ内定のDF野田裕人(3年)とDF鵜澤浬(3年)も復帰し、日本一への視界は良好だ。まずは昨年、敗れた広島国際学院(広島)へのリベンジを果たせるか期待したい。 その他にも大坪裕典監督が「インターハイで全国ベスト8に行った昨年よりも、まとまれば今年の方が力はあると思う」と評する高知(高知)も上位に入るだけの力を持つ好チーム。FW門田翔平(3年)とFW松田翔空(2年)は大会でも屈指の2トップで、DF成田大悟(3年)を中心に予選を1失点に抑えた専大北上(岩手)との初戦は見どころの多い展開になりそうだ。 隣の山の有力候補は激戦区を勝ち上がった阪南大高(大阪)。「誰を出しても恥ずかしくない選手が揃っている」と胸を張るのは濱田豪監督で個性的な選手が多く、対戦相手に応じた選手起用が可能だ。攻守両面での貢献度が高いMF福本一太(3年)の存在も大きく、DF福原快成(3年)を中心とした堅守速攻が光る新潟明訓(新潟)との初戦を突破できれば上位も見えてくる。 尚志(福島)と東福岡(福岡)によるプレミア勢対決は1回戦屈指の好カード。前者はMF星慶次郎(3年)の動きによって、3バックと4バックを使い分ける巧みな試合運びが目を惹く。MF髙橋響希(3年)、FW千住澪央(3年)といった大会の主役候補になりえる選手もおり、プレミア降格の悔しさを晴らそうと意気込んでいる。後者はDF山禄涼平(3年)、DF柴田陽仁(3年)を中心とした粘り強い守備が今年の強み。予選ではMF大谷圭史(3年)を起点としたサイドアタックの整備も進み、上位進出の機会を虎視眈々と狙っている。 正智深谷(埼玉)は主将のMF大和田悠(3年)を中心と堅い守りで予選の3回戦以降、1点差での勝利を続けた実力校。MF宇土尊琉(3年)、FW坂本錠(3年)ら中盤より前に力のある選手が揃う長崎総大附相手に予選同様の戦いに持ち込むことができれば、勝機は広がってくる。 (文・写真=森田将義)