毎月開催の古本市、個性派揃った「たにまち月いち古書即売会」19日から/大阪
大阪市中央区の大阪古書会館で毎月3日間、「たにまち月いち古書即売会」が開かれ、熱心な古本ファンらに交じって、若い世代が好みの本を探している。今月の開催日は19~21日まで開催される。
専門分野の異なる店舗が個性を競い合う
大阪古書会館は府下の古書店が加盟する大阪府古書籍商業協同組合が建設し、本部事務所を構えている。通常は「市会」(いちかい)と呼ばれる加盟店限定の入札会が開かれているが、古書ファンへのサービスを兼ねて、古書店有志が「たにまち月いち古書即売会」を開いている。 毎回15店前後が出店。初版本を含む現代日本文学、戦前戦時中の刊行資料、音楽や映画に関する文献など、専門分野の異なる店舗が個性を競い合う。 文学作品や専門書などの書籍の他、「一枚もの」とくくられるポスター、古地図、引き札なども、多数出品されている。
絵葉書はテーマを追いかけて楽しむ
最近人気があるのは、「一枚もの」ジャンルに入る絵葉書。鉄道や建物、イベントなど、テーマを絞り込んで集めるファンが増えている。高価な作品もあるが、一枚数百円で入手できるものが多いので集めやすい。 書籍でも芸術的観点から価値を見直す新しい動きが高まってきた。即売会の代表者、厚生書店店主の杉本信一さんは「本の表紙を絵画ととらえて部屋に飾り、アート作品として楽しんでもいい。ジャケットにほれこんでCDを購入する『ジャケ買い』と同じ感覚です。即売会でお気に入りの作品を見つけてください」と話す。 会場には貴重な歴史資料から特価均一本まで幅広く並んでいる。ゆったり回遊する40代男性は「ほぼ毎月立ち寄ります。本を広げたときの相性のいい重さが好きなんです」とつぶやきながら、本の感触を確かめていた。 今月の開催日は19~21日までの3日間。詳しくは厚生書店(06・6773・9360)まで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)