[スープラ80]の発売当時はあまり評価されなかった!? 過去を20代の若者に伝えたい【リバイバルBESTCAR】
■ダイレクトなフィール、乗り心地も最高!
さて、ここでトラコンをカットしてクルマ好きのお兄さんに変身してみましょう。とりあえず気合いでコーナーに飛び込み、ブレーキでフロントに荷重を移しつつハンドルを切り込む。 ラリーみたいな走り方を想像してもらえばよろしい。すると気持ちいいじゃないの。クルマがドライバーの操作に忠実なのだ。手と足がブレーキとハンドル、アクセルにそのままつながっている感じ、とでも表現すればいいのだろうか? ハンドルを切れば素直にノーズはインを向き、パワーを掛けるとややドリフト気味に、それでいてキチンとトラクションがかかって加速する。この一連の動きが見事に決まるのだ。 たいてい人間の操作とクルマの反応にはズレがあって(ゴムみたいなものが存在する感覚)、それの動きを予測しながら操作を行う。 スープラはN1のレーシングカーみたいな一体感がある。ハンドリングでベタ誉めされるNSXタイプRと非常によく似ている。異なるのは、恐ろしく乗り心地がいいということ。 時間があればいつまでも乗っていたくなってしまう。きっとサーキットでも攻めたら、もっともっと楽しいに違いない。 2台目の試乗車はノンターボのSZ。280馬力のカゲに隠れてしまったが、実力は充分。フル装備で300万円を切るプライスも魅力。ターボと同じコースでテストしてみたけど、驚いたことにけっこう速い。 タイトなコーナーが続く区間ではターボより、アクセルレスポンスも良好で、速さはいい勝負。 フルにパワーを使い切れるのだ。ちょうどユーノスロードスター的な持ち味で、大いに気に入ってしまった。普段の足に使うのもオシャレ。燃費もいいだろう。
■パワー、ハンドリングは世界トップレベル
素晴らしいハンドリングは、世界的にみても間違いなくトップクラスである。アウトパーンに持っていけば、ポルシェを散らすことだって可能だ。 じゃあライバル車は全然魅力がなくなってしまったかというと、そうでもない。 NSXはスープラより少しだけ遅いかもしれないが、こいつは日本車には珍しく本物のスポーツカーの雰囲気を持っており、ボクは10年くらい乗ってやろうかと思うくらい気に入っている。 三菱GTOは雨の王者だ。さすがのスープラも、雨が降ればGTOには勝てないだろう。 GT-Rはワインディングロードでスープラより確実に速いし、RX-7(FD3S)だって手頃な価格と軽いボデイは強力な武器ではなかろうか。 それぞれ得意とする分野が違うから、自分の好きなものを選べばいいのである。 スポーツカーというのは女の子みたいなもので、あるレベルから先は自分の好みが決め手となるのだ。ただスープラの強烈な魅力には若いオジサンも結構まいった。