我が子の「発達障害」の特性を理解してもやっぱり……子育て中のイライラ解決法
小嶋:そもそも発達障害というものは「目に見えない障害」です。でも、日本の特別支援教育では「目に見える障害」ばかりをクローズアップしてきました。そしてさらに、日本における特別支援学校は田舎や街はずれなどに追いやられがちで、だからこそ、障害に対する理解が追いついていない。アメリカでは特別支援学校は街のど真ん中に位置していて、理由を地元の方に伺うと「私たちのコミュニティーに障害を持つ方もいるということが、街のど真ん中に学校がないと分からない。街全体で受け入れるための設計です」と話していました。日本では、保育士免許の取得に特別支援教育が必修化されてからまだ数年です。目に見えない障害というものを現場の教員たちも充分には理解できていない可能性は高いですね。 りっきー:もちろん診断がすべてだとも思っていないんです。受容といってもそのスタンスは保護者一人ひとり異なります。私のように白黒はっきりしていた方が頑張れる人もいれば、そうではない人もいる。この先、幸せな人生を歩んでいってほしいと期待を膨らませながら子育てしている最中、突然、診断が下りてしまうことで目の前が真っ暗になり、頑なな気持ちを抱いてしまう人もいるでしょう。だから、その保護者がどういうタイプなのかも踏まえた上で、医師や先生方にもコミュニケーションを取ってもらいたいですね。 小嶋:支援する側もどうしたらいいかわからなくて苦しいから、とりあえず診断を受けてください、と軽はずみに言ってしまうケースもあるでしょうね。ただ、そこは慎重にならなければいけない。実は私の次男も特別支援級に通っています。小学2年生くらいから集団不適応になってしまって、ついに診断が下りました。僕自身も診断を受ける場に立ち会うこともあるのに、結果を見た時は正直、ショックでした。同時に、これが保護者の方々の気持ちなのか、とようやく理解できたんです。診断を下す、あるいは勧める場合であっても、大事なのは「その先の見通し」も一緒に伝えること。診断=絶望ではなくて、じゃあこういう未来があるね、と建設的に話ができるようになっていくと、保護者の方々も安心できるのではないかと思います。