【全日本総合バドミントン2024】宮崎友花が日本一達成! 史上5人目の高校生女王が誕生!<決勝戦/女子シングルス結果>
日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会最終日の12月30日は、各種目の決勝戦が行なわれた。ここでは、女子シングルスのダイジェストを紹介する。 【トーナメント表】全日本総合バドミントン2024女子シングルス 【女子シングルス】 高校生日本一に王手をかけた宮崎友花(柳井商工高)か。それとも初の決勝進出から一気に頂点をねらう仁平菜月(ヨネックス)か。山口茜(再春館製薬所)や奥原希望(太陽ホールディングス)が大会序盤で棄権となった中、ライバルたちとの熱戦で大会を盛り上げた2選手が、決勝で対戦した。
第1ゲームから互いに主導権を譲らず、スコアは拮抗。10オールから先に仁平が11点を奪ってインターバルに入ると、そのインターバル明けのラリーでは、宮崎が切れ味鋭いスマッシュを決めてすぐに同点。どちらも引かずに攻撃を仕掛け、再び得点を重ねていく。 すると、宮崎が16-14とリードした場面で、思わぬアクシデントが発生。仁平が大きく上げた球を宮崎がアウトと判断したが、判定はイン。これに宮崎がチャレンジを要求すると、長い判定の結果、場内の大型ビジョンには「ノーディシジョン(判定不能)」が表示される。その後、レットの判定で試合が再開されると、本来ポイントが入るはずだった仁平がミスで失点。宮崎が17-14とリードを広げると、さらに攻撃のテンポを上げて21-18で先制する。「線審はインの判定でしたが、相手のチャレンジで判定ができない場合はレットと説明された。でも、そこから2点くらいポンポンと取られたのは、自分の弱さです」(仁平)
一方、第1ゲームを制したことで気持ちが楽になった宮崎は、第2ゲームもペースを落とさずラリーを展開。「緊張も疲労もある中できつかったですが、その中でも相手より我慢強く戦えた」と、長いラリーになってもねばり強く球を拾い、仁平のミスを誘う。負けられない仁平も、12-15とリードされた場面からスピードアップ。跳びつきながらスマッシュを叩き込み、宮崎に14-15と迫った。 しかし、仁平の反撃はここまで。この後のロングラリーでは、ねばりを見せていた仁平がバックアウトで失点。これをきっかけに、宮崎が一気にペースを上げて攻め込み、20-14でチャンピオンシップポイント。最後は、ネット前で宮崎が鋭くシャトルを叩き込んで勝負あり。10年ぶりに、高校生チャンピオンが誕生した。
試合後、「プレッシャーがあって、プレーがうまくいかないことも多かった」と、今大会を振り返った宮崎。優勝候補の棄権で一気にプレッシャーが大きくなり、大会期間中は受け身になっていたことを明かした。それでも、負けずにトーナメントの頂点に立ったのは、世界のトップランカーたちと戦ってきた経験があったからだろう。今季は中国OP(Super1000)で準優勝の成績を残し「そこから自分のプレーの幅が広がった」と成長を実感。実力はすでに世界レベルの宮崎は、日本一でつかんだ自信を胸にさらなる飛躍をめざす。 ▼決勝(12月30日) 宮崎友花(柳井商工高)②〔21-18、21-14〕0●仁平菜月(ヨネックス)
取材/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、楊順行 写真/井出秀人