「あきらめたらそこで鹿沼が終わる」「このまちをもう一度建て直す」などと記載した「スラダン酷似ビラ」、自民系候補が”超絶マズい”理由とは? 「著作権法に抵触する可能性」以外の問題点も。
選挙に際して配られた「ビラ」が、人気アニメーション映画のポスターに酷似していると、注目が集まっている。見比べてみると、確かにパロディーの要素が色濃く、著作権法違反を指摘する声もある。 【比較画像】映画「THE FIRST SLAM DUNK」のポスターはこちら しかし一連のニュースを眺めていると、このビラには著作権だけでない、複数の問題点があるように感じられる。そこで今回は、4つの観点から「このビラがマズかった理由」を考えてみよう。 ■人気漫画「スラムダンク」ポスターに酷似
話題になっているのは、栃木県鹿沼市長選の候補者(自公推薦、後に落選)の陣営が作成したチラシだ。 表紙には大きく「総力結集KANUMA!! !! !!」の文字があしらわれ、下部には「THE FIRST TEAM UP KANUMA」「このまちをもう一度建て直す」「あきらめたらそこで鹿沼が終わる」の文言も書かれていた。 そして目をひくのは、「KANUMA!! !! !!」にかぶせるように配置されている、バスケットボールのユニフォームに身を包んだ5人のイラストだ。候補者はもちろん、栃木選出の自民党・茂木敏充幹事長や、福田富一栃木県知事の姿もあった。
鹿沼市長選は2024年6月9日に投開票されたが、その翌日あたりから「ビラが著作権法に抵触する可能性がある」という報道が相次いだ。 類似が指摘されているのは、井上雄彦さんの人気漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』を映画化した「THE FIRST SLAM DUNK」のポスターだ。 見比べてみると、確かに近い印象を覚える。 本家には、大きく書かれた「SLAM DUNK」の文字に、バスケットボールのユニフォームを着た5人のキャラクターが重なる。どちらにも「THE FIRST ○○」の文言があり、原作の名言である「あきらめたらそこで試合終了ですよ」を想起させるフレーズもある。
各種報道では、陣営スタッフへの取材内容も書かれており、そこでは「他地域の商店街がつくったポスターを参考にした」「若いスタッフが作成したようだ」などの主張が掲載されている。これらの記事では、有識者による見解も併記されているが、ある新聞は「翻案権侵害の恐れ」を指摘し、またある新聞は「完全複写ではなく、著作権侵害にあたらない」といった主旨のコメントを掲載している。 ■4つの「マズい理由」 一連の経緯が報じられたことで、SNS上では議論が広がっている。またテレビの情報番組などでも、この話題が伝えられ、コメンテーターの反応が、さらに記事化される状況だ。そこで、これまで数々の「炎上」をウォッチしてきた、ネットメディア編集者である筆者の視点から、このビラが「マズい理由」を考えてみると、4つの要因が浮かんできた。