東洋医学から学ぶ「怒りとの向き合い方」。道でぶつかられたとき、あなたはどうする?感情を長引かせないために大切なこと
厚生労働省が公開している令和2年「患者調査」によると、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)の総患者数推計値は約20万人とのこと。メンタルヘルスの問題を抱える人が増える中、「日常の小さな養生で<強い心>が手に入る」と語るのは、漢方養生指導士で、登録者数10万人超の漢方養生YouTuber・ロン毛メガネさん。今回は、ロン毛メガネさんの著書『読むだけでメンタルが強くなっちゃう漢方養生の本』から、東洋医学の基本知識や、すぐに実践できる<養生>の方法などを紹介します。 【書影】モヤモヤ、イライラ、寂しさ、不安……みんなまとめて東洋医学で解消!『読むだけでメンタルが強くなっちゃう漢方養生の本』 * * * * * * * ◆例えば道でぶつかられたとき、あなたならどう「反応」する? 例えば、街で歩いていて誰かとすれ違ったときに肩をぶつけられて、よろけて倒れてしまったとします。あなたはどう感じますか? 怒りますか? 泣きますか? もちろん、「悲しい」という情緒が生まれたら泣いてもいいし、「怒り」という情緒が生まれたなら、少しなら相手に怒ってもいいと思います。 度を過ぎなければ、それは「和」の状態です。 しかし、ぶつけられて転んだとしても、「私は大丈夫ですよ。逆に、そちらは大丈夫ですか?」と、さらりと言える人がいますよね。 これが「中」の状態です。たとえ同じ出来事でも、人によって全く違う反応、違う感情、情緒が生まれるのです。
◆感情を「長引かせない」ために 起こった出来事に対する反応として、何かしらの情緒が生まれるのは、人間である以上、避けられません。しかし、あまりにも簡単に情緒を発生させてしまうと、冷静さ、理性を保つことが難しくなりますよね。 例えば、人にぶつけられて転んでしまったとしても、その背景には、様々な理由が考えられます。 もしかしたら、相手はけがをしていたからフラついたなど、やむを得ない理由であなたにぶつかってきたのもしれません。もしくは、相手も誰かからぶつかられてよろけた……など、被害者だったのかもしれない。そういった事情は、他人からはすぐにはわかりません。 だからもし、あなたが人にぶつかられたとき、怒りや悲しみなどの情緒をすぐ発生させてしまうと、第三者目線で、客観的に物事を見ることが難しくなります。 なので、まずは「揺らぎにくい心」を持つことが大事です。 つまり、情緒が発生したとしても、何か具体的な行動に移す前に、いったん冷静になれるようにする。 一瞬、心が揺れてしまうことは、誰にとっても避けられないと思います。 ですが、すぐ落ち着かせることができれば、大丈夫なんですね。
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