オーバーエイジ不在にも大岩監督「最高の18名」、細谷&荒木らは「気にしていない」
7月3日、『第33回オリンピック競技大会(204/パリ)』を戦うU-23日本代表のメンバーが発表された。オーバーエイジ(OA)枠3人の選出はなかったものの、大岩剛監督は「今現在招集可能な最高の18名を招集したつもり」とキッパリ。メンバー発表記者会見に登壇した山本昌邦ナショナルチームダイレクターと大岩剛監督はこのようにあいさつした。 【全ての写真】U-23日本代表監督の大岩剛 山本ND「『メキシコ五輪』以来28年間『五輪』にすら出られなかった代表が、28年間連続で『五輪』に出ることになった節目となる大会。メダルを目指す戦いに挑むことになる。選ばれたメンバーで大岩監督をはじめ、最高の景色を見たいと思っている。日本サッカーの進化をお見せたい」 大岩監督「感謝の気持ちを胸に、選手、スタッフ一体となって『五輪』に向かっていきたい。メディアにはぜひ我々のチームに注目していただき、国民に発信してもらえたらうれしく思う」 OA枠を断念した経緯を聞かれると、大岩監督はこのように返答した。 「いろいろな制限がある中、我々が今現在収集できる、『パリ五輪』を迎えることができる最高の18名プラスバックアップ4名を選んだつもり。その時その時で集まったメンバーがU-23代表だと発足当初から伝えてきたが、このメンバーが現時点の最高のメンバーであり、このメンバーでしっかり『パリ五輪』をしっかり戦いたいというのが率直な気持ち」 OA枠の選手を招集する難しさについて、山本NDが補足した。 「OAへの希望は現場からあり、1年以上前から交渉してきた。まず選手の意志を確認し、クラブの了承を取らないといけない。移籍があると、7月以降の移籍先との交渉も必要となる。さらに監督が変われば、選手の立ち位置も変わる。『五輪』期間に先を予測して交渉するのは困難を極めた。OAのみならず、A代表で活躍している久保建英選手、鈴木唯人選手、鈴木彩音選手の招集が叶わなかった。我々はヨーロッパオフィスを通して、日々クラブと連絡を取りながら、期日まで努力したつもりだが、そういった選手たちがクラブで大きな存在となり必要とされていることで、このような困難な状況になったと思っている。このメンバーでどうメダルを狙っていくのか。この後の『ワールドカップ』予選に何人A代表に上がるのか。『パリ五輪』での経験を経て、素晴らしい成長を期待している。前回は7名が海外組、今回は6名。これからもっと増えるかもしれいない。今後世界のクラブとコミュニケーションを取って、選手を招集できるか。これはU-23に限らず、U-20でも起きている。そういう時代になった、これは日本サッカーの成長だと思っている」 これまでチームの主力を担ってきた松木玖生の不選出について、質問された指揮官は「今回選ばれた選手の話をしたい」としていたが、さらに選外となった理由はケガかという質問が続くと、「コンディションの問題ではない」と言及を避けたが、山本NDが「松木選手は移籍の可能性がある。その中で確実に『五輪』に招集できる確約が取れなかった。それが一番の要因」とフォローを入れた。 OA枠の不在について質問が続いても、大岩監督は「OAを含めて、今現在招集できる可能な選手たちのベストを招集したつもり。U-23で戦った『アジアカップ』で我々はチャンピオンになった自信と誇りを持って『パリ五輪』に臨みたい。OAがいるいないにかかわらず、日本代表の責任を持って、『パリ五輪』に臨みたい」と前を向いた。 パリでどんな戦いを見せたいか問われると、大岩監督は? 「我々は発足当初からロードマップを作って、『パリ五輪』本番でファイナルに進むため、日本サッカー界の悲願であるターゲットに向けて、2年半戦ってきた。この18名プラス4名で必ずファイナルを戦う、そして金メダルを奪うというために、第1戦から一歩ずつ階段を登っていき、国民のみなさんと喜びを分かち合う瞬間をしっかりと想像しながら、一戦一戦を戦っていきたい」 2年半活動してきた大岩ジャパンの強みを質問されると。 「2年半活動してきて、アンダー世代はいずれもターゲットが決まっている。次はサムライプルーを目指すしかない。我々にとって『パリ五輪』が最後の大会。我々の年代の選手たちで戦う最後の大会に対して、『アジアカップ』で勝ってそれぞれが成長し、自信と責任を持った上で臨めると思う。2年半培ってきたすべてを発揮して、一体感を強みとして大会に向かっていきたい」 改めて『パリ五輪』の目標を聞かれると、大岩監督は「しっかり準備をした中で本大会、スタッフ、選手全員で決勝に進みたい。そうした中金メダルを持って帰って来たい」と誓った。