広島・二俣 秋季キャンプチーム1号!打撃改良手応えマルチ 「ユーティリティーで終わりたくない」レギュラー獲り目指す
「練習試合、西武6-4広島」(10日、南郷スタジアム) 広島・二俣翔一内野手(22)が10日、西武との練習試合で“秋季キャンプチーム1号”を放った。数日前からバットを構える位置を従来より低くする新フォームに取り組んでおり、早速その成果を示した。今季は複数ポジションをこなせる器用さを武器に初めて1軍完走したが、打力向上で来季はレギュラー獲りを目指していく。 左翼ポール際に吸い込まれた白球が、来季への光になる。これから進むべき方向性が明確になった一発。二俣は「やってきていることが、できている」と自信を深めた。 初回無死一塁で左腕・杉山の直球を捉えて先制2ラン。打者にとって厳しい内角高めのゾーンを長打にできた裏側には、数日前からの取り組みにあった。 バットを高い位置で構え、力を抜いて始動するのが従来の打法だった。だが、無安打に終わった7日の紅白戦後、藤井ヘッドコーチに指摘された。「構えている時に力が入っているように見えると言われて。先に(バットを)下に構えておいてから、上に上げて振りに行く打ち方を教えてもらった」 グリップを一度下げ、その反動を利用しながら打ちに行く“ヒッチ”打法ではなく「投球モーションと同じような、スローイングに似た感じでバッティングをする感じ」と新打法を説明する。従来の打ち方で内角を打つと「詰まってグシャッてなっていた」と分析し、確かな良化を実感した。 三回1死では初球を引っ張って左前にはじき返し「しっかり体を回転させながらバットがしなって出てきた」と笑顔。打撃改良によってバットのしなりが生まれ「練習でも飛距離が少し伸びて、強い打球がいくようになった。続けていきたい」と完全習得を誓った。 今季はプロ入り初の開幕1軍入りをつかむと、一度も2軍降格を味わうことなくシーズンを終えた。投手、捕手、中堅以外を守り、80試合の出場で打率・196、1本塁打、7打点ながら、代打でも存在感を示してきた。 新井監督は「今年ずっと1軍にいたことが自信になっているし、シーズン終盤にかけて1軍投手の速い球を捉えることができている。守備もいいので、どんどんチャンスが来ると思う」と期待を寄せた。秋季キャンプでは遊撃での起用が続いており「今年は矢野が頑張ったけど、まだまだレギュラーではない。当然ショートのポジションも争ってもらう」と、し烈な競争を期待した。 試合後には宿舎で契約更改交渉に臨み、700万増となる年俸1200万円でサインした(金額は推定)。「野球人生、ユーティリティーで終わりたくない。レギュラーを取って長く野球ができるように」と腕をぶした二俣。見据えるのは定位置奪取。跳躍前の助走期間となる今秋、とことん打撃に磨きをかける。