「被害女性は震えて泣いていた」埼京線の悪質すぎる痴漢の実態
痴漢しにくい社会に
2人がパトロールに行くと一時的に痴漢は減るというが「それだけでは根絶にはならないです」と中島さんはため息をつく。 「埼京線だけでも警察がやればいいんですけど、完全にキャパオーバーなんですよね。鉄道会社も埼京線の異常性をわかっているはずなのに、本質や原因には触れていない。100人の女性が痴漢の被害に遭っても声をあげるのは2人程度なんです」(中島さん、以下同) そんななかで、JR東日本に向けて疑問の声を届けるべく、署名も行っているという。 また、中島さんは「現状、痴漢の加害者のほうが生きやすい世の中」と話す。どういうことなのか。 「今の日本では、“バレない” “捕まらない” “タダでさわれる”など、痴漢する側が有利になっている。捕まえたら9割の人が自供するんですが、だいたい再犯する。先日、僕が捕まえた痴漢はフナイムさんも捕まえていたし、20回以上も痴漢で逮捕歴がありました」 被害者が痴漢を捕まえたところで、その後の取り調べに時間がかかりすぎたり、精神的負担が大きすぎたりと、メリットが少ないのも問題だという。 「痴漢をしやすい社会から“痴漢をしにくい社会”にしなければいけない。僕らを応援してくれる人のなかには、『痴漢撲滅はあなたにしか頼めない』と泣きながら訴えてくる女性もいます。痴漢問題は、僕らみたいな人間にしか希望を託せないのが現実なんです。応援してくれる人がいる限り、必ず全うしたいです。えんじんで実績を積んで、ほかの社会問題にも取り組んでいきたい」 フナイムさんも「過去に傷がある自分たちだからこそできる活動があると思っています。世の中に迷惑をかけることなく、えんじんにしかできないことをどんどんやっていきたいです」と意気込みを話した。 <取材・文/吉沢さりぃ、撮影/藤井厚年> 【吉沢さりぃ】 ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。X(旧Twitter):@sally_y0720
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