退避猶予10秒 灼熱兵器「ドラゴンドローン」をロシア軍がブフレダル近郊で使用
樹林帯付近の塹壕にウクライナ軍部隊が残っていたのかは不明
退避が遅れると、生き延びられる可能性は低くなる。米陸軍は「速度のある噴射炎は目標に直接命中するおそれがある。粘着性もしくは凝集性の燃料が防護服に当たると、生存の可能性は非常に低くなる」と警告している(編集注:米フォーブスのシニアコントリビューターでドローンに詳しいデービッド・ハンブリングは、ドラゴンドローンから降り注ぐ金属の熱片は掩体や掩蓋壕の中にいれば安全だろうとの見方を示す一方、それによって引き起こされる火災や煙などが陣地の部隊にとってより大きな問題になる可能性があると指摘している)。 ブフレダルを攻撃しているロシア軍にとって、砲爆撃などに加えてドラゴンドローンによる攻撃を行うのはおそらく過剰なものだろう。ブフレダルの攻略を何度も試みては失敗してきたロシア軍は先週ついに、疲弊した守備隊を圧倒できるほどの兵力を集中させた。ここ数日、ロシア軍は滑空爆弾やクラスターロケット弾、その他の弾薬でこの炭鉱町を攻撃し、残っていた建物の多くも破壊した。 長い間ブフレダルを堅守してきた第72機械化旅団は、町がさらに荒廃し、ロシア軍による包囲が迫るなか、守りきれないとみてすでに撤退を進めている可能性がある。ボストークのドラゴンドローンが火を吹いた塹壕に、ウクライナ兵らがまだ残っていたのかは不明だ。 残っていたとすれば急いで退避するか、もしくは焼かれてしまっただろう。
David Axe