【全日本大学サッカー】関学大が劇的決勝R進出、数的不利で追いつき、PKの末に東京国際大下す
<全日本大学サッカー選手権:東京国際大1(1PK4)1関西学院大学>◇予選ラウンド◇7日◇AGFフィールド 関西学院大が、10人の数的不利の中、追いついてPK戦まで持ち込み、東京国際大を下して決勝ラウンドにコマを進めた。 今大会から新方式に改編され、この日の予選ラウンドは、勝てば優勝が目指せる「決勝ラウンド」に進出し、負ければ敗者で争う「強化ラウンド」へと進む。 序盤から押し込んだのは東京国際大。前半だけで8本シュートを放つも枠を捉えられない。後半は一転、関西学院大が後方からつなぐ華麗なスタイルで押し返した。 90分終わっても決着がつかず、勝負は延長戦へ。延長前半、関西学院大がペナルティーエリア内でDF西谷京祐(3年)がファウルし、東京国際大がPKを獲得した。西谷は2枚目の警告で退場に。絶体絶命の中、関西学院大のGK宮本流維(3年)が東京国際大のFW高橋剣士朗(4年)のキックをセーブし得点を許さない。だが延長前半追加タイムに、東京国際大がコーナーキックから途中出場のDF橋辺海智(4年)がヘディング弾を決め先制した。 関西学院大は数的不利で0-1。このまま時間が進み、東京国際大が勝利を目前にした時にドラマが起こった。延長後半13分。関西学院大学は、途中出場のFW小西春輝(3年)が、東京国際大の主将でJ2水戸に内定しているDF板倉健太(4年)のバックパスをカットしシュートを放ちネットを揺らした。土壇場で同点に追い付いた。 勝負はPK戦へ。延長戦でPKをセーブし、当たっていた関西学院大の守護神・GK宮本が2本止め、勝利を引き寄せた。 大逆転で勝利を手にした関西学院大の高橋宏次郎監督(34)は「すごい試合でしたね…。選手が諦めずに頑張ったので、すごいですよね」とため息をついた。 1-1の同点に追い付いた直後、高橋監督は「PKに持ち込むぞ!」とピッチの選手にげきを飛ばしていた。「あの状況ではもう1点取りに行くぞ、はさすがに無理ですよ」と苦笑。夏の総理大臣杯、天皇杯と全国がかかる試合をPK戦で敗れていた。今大会に備え、2週間、PKの練習をみっちり積んできた。関西学院大は4人全員決め、高橋監督は「蹴り方、PKスポットに向かうまでになにを考えるか、全部突き詰めてやってきた。彼らが取り組んだ成果が出た」と胸を張った。 決勝ラウンドでは前回大会で大敗した明大と同組になることも決まった。明大へリベンジできる舞台が整い、指揮官は「グループリーグでまず初戦で勝つこと」と、決勝ラウンドを見据えた。【岩田千代巳】