「技術専門家」を半導体部門トップに…サムスン電子の人事、昇進は最小幅で半導体強化(2)
半導体事業の規模と複雑度が大きくなり、企業が技術だけでなく戦略・財務・企業文化などの専従支援組織を強化する傾向だ。SKハイニックスも6月の人事でCEO直属支援組織のコーポレートセンターを新設し、宋炫宗(ソン・ヒョンジョン)社長に任せた。 ◇李在鎔会長が「育てる」と話したファウンドリーを強化 ファウンドリー(委託製造)事業部には社長級の最高技術責任者(CTO)が新設され、製造担当の南碩祐(ナム・ソクウ)社長が務める。DS部門CTOとは別個のファウンドリーだけのCTOだ。ファウンドリー事業が厳しい中で社長級の職務を増やしたものだ。李在鎔(イ・ジェヨン)会長が最近「ファウンドリー事業を育てる」との意志を明らかにしたように、製造と工程など技術を整えファウンドリーの歩留まりを改善するという考えだ。 ◇DXは安定の中でグローバル強化 韓副会長がDX部門長とDA(生活家電)事業部長を続けて担当する中で、DX部門に新たに設けた品質革新委員会の長も兼ねる。 全般的に「維持」基調であるDX部門の人事で目に付くのは李源鎮(イ・ウォンジン)社長の復帰だ。グーグルコリア代表を務め2014年にサムスンに招かれた李社長は昨年の人事で相談役に退いたが、今回サムスンDXのマーケティング・ブランド・オンライン事業を総括することになった。家電の消費心理が萎縮し中国の攻勢が激しい中で、「品質革新」と「グローバルマーケティング」の2つの側面で活路を見出すという考えだ。2年前にサムスン電子初の専門経営者出身女性社長となった李英熙(イ・ヨンヒ)グローバルマーケティング室長は品質革新委員に任命され、経営から一歩退くことになった。 ◇鄭賢豪氏が事業支援TFの中心維持 登記理事であり最高財務責任者(CFO)の朴学圭(パク・ハッキュ)社長が事業支援TF社長に移動し、大規模投資が必要な半導体支援を引き受ける。既存の副社長級(金容寛氏)が務めていた事業支援TF内の半導体担当をCFOを務める社長が担当し格を引き上げた形だ。これで鄭賢豪副会長が率いる事業支援TFは社長級役員が合流して組織が強化された。財界では「オーナーの司法リスクが依然として進行中で、米国大統領選挙直後に世界情勢が急変しており、財務状況を見て戦略を立てる役割は減らないだろう」という分析が出ている。CFOの後任人事は副社長級になる予定だ。