大阪国際女子マラソン 日本陸連・高岡寿成SD「前回の前田選手のように上を目指した積極的なレースを」
「第44回大阪国際女子マラソン」(来年1月26日、サンケイスポーツなど主催、奥村組協賛)の出場選手が24日、発表された。大阪市内で会見した日本陸連の高岡寿成強化委員会シニアディレクター(SD、54)は、来年9月に東京で開催される世界選手権の代表選考レースのひとつだけに、好記録を期待した。 日本陸上競技連盟が設定した来年の世界陸上への参加標準記録は、2時間23分30秒。だが、それでは物足りない。年々レベルが上がる世界と戦うには、もっと速いタイムが必要不可欠だ。高岡SDが2時間20分切りや日本記録更新に期待を寄せた。 「今回も世界選手権の参加標準記録2時間23分30秒とは言わず、前回の前田選手のようにさらに上を目指した積極的なレースをして欲しい」 前回大会では前田穂南(天満屋)が序盤からレースを引っ張り、2時間18分59秒で19年ぶりに日本記録を更新。高岡SDが求めるのは、日本女子マラソン界に新風を吹き込んだ前田のような走りだ。 今年10月のシカゴマラソンではケニアのルース・チェプンゲティッチが2時間9分56秒と女子初の2時間10分切りで世界新記録を樹立。自身も02年シカゴマラソンで2時間6分16秒と当時の日本新記録をマークし、05年世界選手権で4位の高岡SDは「世界の女子マラソンのレベルは上がっている」と分析した。 前田の日本記録とは9分の差がある。それだけに日本陸連は28年ロサンゼルス五輪の代表選考に向け、選考会の「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)の開催より前に代表入りを決められる制度「MGCファストパス」を新設。設定記録は2時間16分59秒とかなり速い。 今大会は対象外だが、「2時間20分切り、日本記録更新を目指すことが次につながる。MGCファストパスの突破につなげてもらいたい」と熱望した。新記録樹立に盛り上がった前回大会。世界と肩を並べて戦うためにも、よりハイレベルな戦いが求められていく。(西垣戸理大)