イングランド5連覇女王・チェルシーで浜野まいかが描く成長曲線「無意識のゾーンからプレーが出てくるように」
ワールドカップで味わった悔しさと刺激「日本を女子サッカー大国にしたい」
――代表では、昨夏のワールドカップで初戦の前に左肩をケガして、最後のスウェーデン戦の1試合の出場にとどまりました。大会を終えて、どんなことが印象に残りました? 浜野:それまで、自分のキャリアの中で大きなケガはほとんどなかったので、本当に悔しかったですね。(ベスト16の)ノルウェー戦では、終盤に交代で呼ばれてタッチラインまで行ったんですけど、結局交代する前に試合が終わってしまったんです。チームとして勝つことが一番だと思っていたし、そのために自分なりにできることを考えていたけど、あの時は「やっと試合に出られる!」と思ったところで終わってしまったから……。日本はベスト8に進みましたが、個人的には悔しさも残りました。 ――準々決勝の相手は、当時浜野選手が国内リーグでプレーしていたスウェーデンでしたが、試合は敗れてベスト8で終わりました。実際にピッチに立ってみて、代表への思いは変化しましたか? 浜野:代表で強豪国を倒して「世界一になりたい」という思いが強くなったし、大会の盛り上がりを見て、日本を女子サッカー大国にしたいなと思いました。 ――イングランドでは、どんなところで女子サッカーの盛り上がりを感じますか? 浜野:例えば、チェルシーとトッテナムのロンドンダービーなら地下鉄や、街のそこら中にポスターが貼ってあって、男子と同じぐらいとまではいきませんが、女子サッカーの価値が高まって、チームメイトの顔がロンドンの街中を走るバスに大きく載っているんです。日本もそんなふうになれば、もっと女子サッカーの良さをみんなに知ってもらえるんじゃないかと思うんです。 ――チェルシーの男子の試合も見に行ったりするんですか? 浜野:はい。この間はFAカップを見に行ったんですが、すごく面白かったです。応援はすごく熱かったですが、それよりもブーイングのすごさが印象に残りました(笑)。
パリ五輪18枠入りへ「代表初得点を決めたい」
――WSLは長谷川唯選手や清水梨紗選手、長野風花選手、林穂之香選手、植木理子選手、宮澤ひなた選手、籾木結花選手、宝田沙織選手などがプレーして日本人選手の評価も高まっていますが、このリーグでプレーすることで、代表にどんなことを還元できると思いますか? 浜野:WEリーグは日本ならではの良さがあるリーグだと思います。INACでプレーしてその魅力を知っているからこそ、イングランドでは強度やスピード感など、自分が学んだことを、代表にもいい形で還元できたらと思っています。 ――パリ五輪に向けてメンバー選考も終盤戦に突入しています。5月31日と6月3日にスペインでニュージーランドと対戦しますが、今のなでしこジャパンの強みはどんなことだと思いますか? 浜野:世界一チームワークがあると思っています。ただ、4月のシービリーブスカップでもアメリカとブラジルに勝てなかったし、変わらないといけない部分もあると思います。オリンピックで結果を残すために、今回のニュージーランド戦は、本当に大切な2戦になると思います。 ――個人的に残したい結果はありますか? 浜野:まだ代表で得点がないので、初得点を決められたらうれしいですね。 ――最後に、パリ五輪に向けての豊富を聞かせてもらえますか? 浜野:自分がやれることは全部やった上で、オリンピックでなでしこジャパンが結果を残すためにメンバーに入りたいと思っていますし、絶対に入るつもりでプレーします。 <了>