【独自】トヨタなど半導体新組織にスズキも参加へ 政府も支援検討
自動運転に欠かせない高性能な車載半導体の開発を目指し、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車などと半導体関連企業の計12社が設立した新組織「ASRA(自動車用先端SoC技術研究組合)」に、新たにスズキが加わることがテレビ東京の取材で分かった。自動車大手と半導体企業は連携を強化し、自動運転時代へ生き残りをかける。
ASRAは去年12月に、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スバル、デンソー、ミライズテクノロジーズ、パナソニックオートモーティブシステムズ、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクスト、日本ケイデンス・デザイン・システムズ、日本シノプシスで設立された。「SoC(=システム・オン・チップ)」と呼ばれる多機能で高性能な車載半導体を、設計段階から共同で開発していくとしている。 自動車各社は、自動運転をめぐる一連の開発には莫大なコストがかかることから、協調できる分野で連携を強化する動きが活発化している。ホンダと日産が協業の検討を開始したのも、車載ソフトウェアの開発分野が含まれており、各社は投資コストを抑えながら競争分野に資本を集中させたい狙いがある。スズキが参加する背景にも、高性能な車載半導体の安定調達につなげる思惑があるとみられる。 また、ASRAについては、経済産業省も支援する方針を固めた。ASRAが検討する車載半導体の仕様を決める初期の設計事業に、およそ10億円を補助する方向で調整している。自動運転分野で先行する海外勢に対抗するため、国内で車載半導体の設計・開発基盤を確立し、自動車産業の競争力の強化につなげたい考えだ。