中国ファーウェイの新型スマホ、半導体は前機種と同等=調査会社
[上海 11日 ロイター] - カナダの調査会社テックインサイツは11日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の新型スマートフォン「Mate70」で使われている半導体は回路線幅が7ナノメートル(ナノは10億分の1)にとどまり、設計が前機種「Mate60」からわずかな改善にとどまっているとの分析結果を公表した。Mate70にはより先進的な回路線幅5ナノメートルの半導体が搭載されるとの見方が出ていた。 ファーウェイは米国から制裁の標的になっているもかかわらず、Mate60では高性能半導体を採用していたため業界に衝撃を与えた。今回の分析で、ファーウェイは半導体製造で画期的な新製品を打ち出すことが難しくなっている可能性が浮き彫りになった。 テックインサイツが「Mate70Pro+」を分解調査したところ、用いている半導体は中国の半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)製の「Kirin9020」で、Mate60Proに搭載されている「Kirin9010」と同等なのが分かった。Kirin9020は、Kiri9010からの設計変更が小さいという。 テックインサイツはMate70でKirin9020が採用されたことについて、ファーウェイが傘下の半導体設計、海思半導体(ハイシリコン)の既存の設計を改良しつつ、SMICの先端半導体製造能力を活用するアプローチを採っていることを示していると指摘した。 ファーウェイ幹部は先週、Mate70に対する需要は旺盛で、注文に応じるため懸命に努力していると述べた。しかしアナリストによると、Mate70は市場の盛り上がりがMate60よりも鈍く、販売も低調にとどまると予想している。