「長年の『ゴーン統治』の負の側面」日産社長が緊急会見
日産自動車は19日夜、横浜市の本社で緊急の記者会見を開き、西川廣人(さいかわ・ひろと)社長が、社内調査で判明したというカルロス・ゴーン会長らの不正行為について説明し、謝罪した。 【動画】日産が午後10時から緊急会見 「ゴーン会長逮捕」報道
「クーデター」の見方は否定
西川社長の説明によると、ゴーン会長らの不正行為は、内部通報に端を発した数か月にわたる社内調査の結果、判明した。確認されたのは、(1)実際の報酬よりも減額した金額を有価証券報告書に記載、(2)目的を偽って私的な理由で投資資金を支出、(3)私的な目的で経費を支出――の3つの不正行為。これらはゴーン氏とグレッグ・ケリー代表取締役の2人の首謀によって行われたとした。 西川社長は「会社として断じて容認できる内容ではない」と述べ、22日に取締役会を開き、代表権と会長職を解くことを提案する意向を表明した。併せてケリー氏の代表権も解く。 冒頭の発言では「株主、関係者の皆様に多大な心配をおかけして会社として深くお詫び申し上げたい」「反省というより猛省すべき。抜本的かつ速やかな対応を取る」「長年、ゴーンが率いる日産としてサポートしていただいた関係者のみなさんの信頼を大きく裏切ることになってしまった」と謝罪と反省の言葉を口にした。 日産の今後の業務執行体制には「影響ないと思っている」、ルノーと三菱自動車とのパートナーシップについては「影響する事案ではない」との認識を示した。
今回の不正行為については「あまりに個人に権限が集中し過ぎた。長年にわたる『ゴーン統治』の負の側面と言わざるを得ない」と指摘。「将来に向けては、特定の個人に依存した形から抜け出し、サスティナブル、維持可能な形を目指す。良い見直しの機会になると思っている」と述べた。 反主流派によるクーデターではないかとの見方には「クーデターであったという理解はしていない。そう受け止めていただかないほうが良い」と否定した。 不正行為の詳細に関しては、東京地検特捜部の捜査が進んでいることを理由に「事案を詳細にお話できることには限界がある」と言及を避けた。