「魚粉」高騰でラーメン店も養殖業も大打撃! 「育てるほど赤字」 値上げ以外の道はあるのか?
「特製ラーメンお待たせしました」 ラーメン大木戸の魚介系のラーメン。一口飲めば魚介の香りが広がる味わい深いスープが人気だが、渕上勝吾店主には今、ある悩みがある。 【映像】魚粉もたっぷり ラーメン大木戸の魚介系のラーメン 「材料がだいぶ高騰していて厳しい。最近取れないということで、片口煮干しがものすごく高い」 悩みの原因は、魚介系ラーメンに欠かせない、主にイワシ類を原料とする「煮干し」と「魚粉」の高騰だ。 渕上店主は「魚粉は多分3割4割くらい上がっている。ラーメンの値段を上げるわけにはいかないので、もうしょうがない」と嘆く。 ラーメンは値上げせず、他のメニューを値上げして対応していくしかないというが、今までと異なる材料を使うことも視野に入れなければいけないという。 魚粉の高騰はラーメン店だけでなく、「魚の養殖業」にまで打撃を与えている。ブリやマダイなど養殖魚のエサには「魚粉」が使われており、その価格も上がっている。 一般社団法人全国海水養魚協会 専務理事 中平博史さんは「育てれば育てるだけ赤字というような現状」と語る。 養殖者が悲鳴を上げる値上がり。なぜ今、魚粉は高騰しているのか。 中西さんは「今水産物の需要がかなり世界中で増えており、世界的に魚粉の需要が上がってきている。それに合わせて今の円安。魚粉は輸入に頼っているため、価格が上がってきている」と説明した。 養殖者がエサとして使う魚粉は、この1年半の間に4回値上げされ、価格は1.5倍になった。「エサ代」は、養殖魚の生産コストのおよそ7割を占めるため、値上がりは死活問題だ。 中平さんは「育てれば育てるだけ赤字という現状。価格転嫁するという動きもあるが、全体的にはまだだ」と話す。 現状を打破するために、魚粉の代わりになる新たなエサの模索をしているという。 「魚粉の使用量を減らしていくために打開策を見つけていかないと、安定的に美味しい魚を食べられなくなる可能性がある」(中西さん) ※これはテレビ朝日「グッド!モーニング」で放送した内容をABEMA TIMES編集部で記事化したものです。
ABEMA TIMES編集部