海外メディアも紀平の四大陸選手権逆転Vを大絶賛「自信と優雅さに満ち溢れた支配的な演技」「堅実なトリプルアクセル」
フィギュアスケートの四大陸選手権の女子フリーが8日(日本時間9日)、米国のアナハイムで行われ、ショートプログラム(SP)で5位と出遅れた紀平梨花(16、関大KFSC)がトリプルアクセルを1本決めるなど完璧な演技で153.14点をマークし、計221.99点で逆転優勝を果たした。 紀平は、試合前に左手薬指の亜脱臼というアクシデントを負い、SPではトリプルアクセルを失敗していたが、プログラム構成を変えたフリーでは、大技を成功させ5.06点差を逆転した。 国際スケート連盟(ISU)の公式サイトは「アナハイムで開かれた四大陸フィギュアスケート選手権での女子フリースケートで、順位が上下に混乱するなか、日本の紀平が金メダルでスケートを終えた。紀平は『ビューティフルストーム』に合わせた演技で、トリプルアクセルから入り、ダブルアクセル―トリプルトゥループ、トリプルルッツ―トリプルトゥループの連続ジャンプに加え、4つの3回転ジャンプとレベル4のスピンとステップを披露した」と伝えたが、この劇的な勝利を海外メディアも次々と報道した。 米のNBCスポーツは「グランプリファイナルのチャンピオンである日本の紀平が金曜日にアナハイムで開かれた四大陸フィギュアスケート選手権の女子タイトルを獲得した」と伝え、ロサンゼルス・タイムズ紙も「紀平が輝いた」との見出しを取り、「日本の紀平が四大陸フィギュアスケート選手権の金曜日の夜、美しいフリースケートでトリプルアクセルを見事に成功させて女子のタイトルを勝ち取った」と報道した。
米の地元紙であるオレンジカウンティ・レジスター紙は「紀平がフリースケートの大成功で四大陸選手権タイトル獲得」との見出しを取り「日本の紀平が来月に母国で開催される世界選手権で、改めて優勝候補になるべく、自信と優雅さに満ち溢れた支配的な演技で四大陸選手権の女子タイトルを勝ち取った」と伝えた。 記事は、試合を「16歳の紀平は今シーズン2つ目の主要タイトルを獲得するため、粗さを見せて5位に終わったSPから力強く跳ね上がった。トリプルアクセル、トリプルトゥループのコンビネーションを成功させて、この日、153.14得点を記録して計221.99得点とするまで、氷上に手を着くことはなかった」と紹介。 「ジェニファー・トーマスの『ビューティフルストーム』に乗り、最初のジャンプのトリプルアクセルを含めて完璧な4分のプログラムだった」と続けた。 また「紀平のSPには問題が残ったが、フリースケートで高得点を得た。その潜在力はより強力なものだった。(今シーズンで)金曜日の紀平よりもフリースケートと合計の得点で上回っているのは、ザギトワのみだ」と、高得点を評価。今回のフリーの得点と合計得点が、先日の欧州選手権で優勝したロシアの現在のスター、ソフィア・サモドゥロワの140.96点、213.84点、2位になったザギトワの123.34点、198.34点を大きく上回っていたことを紹介した。 フィギュアスケート専門サイトの「ゴールデンスケート・ドットコム」は「紀平、アナハイムでの四大陸選手権デビューで金メダルをつかむ」との見出しで「紀平は『ビューティフルストーム』に乗り、堅実なトリプルアクセルからダブルアクセル―トリプルトゥループを決めて優雅なルーティーンを始めた。2018―2019年グランプリファイナルのチャンピオンは、トリプルループで苦しい着地があったが、さらに5つの3回転ジャンプを成功させた」と紀平の演技を紹介。 「紀平は『SPでのミスを忘れ、きょうの演技ですべてを見せたかった』と語っていた」と試合後のコメントを掲載した。 今月末のオランダのチャレンジカップを経て、3月に埼玉で開催される世界選手権へ挑む予定の紀平は、その今シーズン最後の大舞台でも優勝候補として海外メディアの注目を集めるだろう。