【BCクラシック】初ダートのシティオブトロイを送り出すエイダン・オブライエン調教師を直撃 「チャンスはある」
[GⅠブリーダーズカップクラシック=2024年11月2日(日本時間3日)3歳上、デルマー競馬場・ダート2000メートル] 今週末に米デルマー競馬場でブリーダーズカップが行われる。メインに位置づけられるのは世界のダート王決定戦であるクラシック(11月2日=日本時間3日)だ。日本からはウシュバテソーロ、デルマソトガケ、フォーエバーヤングが参戦するが、あの“世界の名伯楽”も虎視眈々と「初BCクラシック制覇」を狙っている。英ダービー馬で、GⅠ3連勝中のシティオブトロイ(牡3)で参戦する、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師(55)を、三嶋まりえ記者が直撃した。 ――シティオブトロイをBCクラシックに出走させる理由について。ジャスティファイ産駒というのも後押しになりましたか エイダン・オブライエン 血統からして、可能性は常にあった。誰もが知っているように、彼は3歳時にダートで無敗の3冠馬で、信じられないような馬だった。大きなクオーターホースのような馬なのに、2400メートルを走れたんだから。あんな種牡馬を手に入れられる幸運は二度とない。彼の産駒はダートでも芝でも走れる。 ――シティオブトロイについては エイダン 彼はずっと期待に応えてくれていて、(ダート挑戦の)可能性は常にあった。サラトガの頃に考えていた(8月の米GⅠトラヴァーズSでダートを試す案もあった)が、もう少し待って、できる限りハードに、肉体的にも精神的にも成熟できるような時間を与えた。シティオブトロイはダートでもっと良くなるはず。とてもエキサイティングなレースになるだろうね。 ――初めてのダート戦、BCクラシックの日が迫ってきました エイダン BCクラシックは勝ったことがないし、厳しさも知っている。BCクラシックはおそらく世界で最も過酷なレースだと思う。シーズン終盤に、しかも古馬相手に、全く違うコース、全く違うカルチャー、全く違う馬場。初めてのことがたくさんある。彼が経験したことのないような状況で出走するわけだから、未知の部分が多い。何事にも保証はないけれど、チャンスはあると思っている。 ――9月中旬には、英国サウスウェル競馬場で僚馬4頭と併せ、実戦さながらの公開調教を行いました エイダン 施設を提供してくれたみんなに感謝しています。タフな馬場で、決して見栄えのするものではなかったが、私たちもライアン(ムーア騎手)も、とてもハッピーだった。シティオブトロイとブリーダーズCへ挑めることがとてもうれしい。 ――今年の舞台はデルマー競馬場です エイダン 大きなポイントは馬場とコースだと思う。高速で平坦。とても厳しいコースだった。成功するとは限らないが、失敗したとしても、(公開調教を行い)ベストを尽くしたことには変わりない。 ――BCクラシックは、2000年ジャイアンツコーズウェイの2着が最高です エイダン ジャイアンツコーズウェイに似ていると思うけど、シティオブトロイはより速いし、もう少しハツラツとしていて、ストライドが長い。 ――ライアン・ムーア騎手について エイダン ライアンは明らかに世界的なジョッキーです。ライアンについては誰もが知っているし、私が説明するまでもない。彼は世界中のいろんなレースを経験している。だから、彼がいてくれて本当にラッキーだ。彼は誰よりもシティオブトロイを知っている。それに、ライアンはブリーダーズCをたくさん勝たせてくれているしね。 ――最後に、BCクラシックに出走する日本馬の印象を エイダン 日本馬はとてもいいと思う。日本のレースはとてもハードだし、日本馬は世界でも活躍している。BCクラシックでも、強力なライバルになると思う。
三嶋 まりえ