まちなかサッカースタジアム、富山駅東が候補 30年代前半までに完成、1万~1万5000人収容
●県協会が中間報告 ゴールデンボウル周辺 富山県サッカー協会の新スタジアム構想で、協会は16日、建設候補地を富山駅東のボウリング場「ゴールデンボウル」(富山市千歳町)周辺と発表した。収容人数は1万~1万5千人で、2030年代前半までの完成を目指し、全国有数の「まちなかスタジアム」となる。実現には約3ヘクタールの敷地の確保が必要で、用地取得や周辺道路の整備など課題も多いといえる。 【地図】サッカースタジアム建設候補地 県サッカー協会特別委員会がサッカー専用スタジアム構想の中間報告として会見した。建設候補地は富山駅東エリアとし、今後、具体的な事業計画や施設計画を検討する。来季J2に昇格するカターレ富山のホームスタジアムとし、県内主要大会の会場に使う。 協会によると、建設主体は県や市で、運営は民間が実施する「公設民営」を前提とする。来場者が飲食や買い物を楽しめる多機能複合型施設として、にぎわい創出につなげる。 委員会は環水公園周辺や新高岡駅周辺など5カ所を比較し、交通アクセスの良さや建築条件などから候補地を選定した。 「スタジアムを核にしたまちづくりで富山を元気にする」とのビジョンを設定。富山の新たなシンボル、関係人口の増加、魅力あるまちづくりの三つのコンセプトを掲げた。 豊岡達郎委員長は「ワクワク、ドキドキする空間を創り出し富山を活気づけたい」と語った。 ●用地取得や道路整備「ハードルは高い」 富山駅東エリアはゴールデンボウルのほか、市道を挟んで県教育記念館や高志会館、オフィスビルが並ぶ。計画ではスタジアムの設計、建設は26年度以降の予定となっているが、整備には周辺の用地取得や道路整備を行う必要があり、「ハードルは高い」(豊岡委員長)とみられる。 県サッカー協会の横井憲治専務理事は「富山駅東エリアの企業や団体には会見を開くことは伝えた」と述べた。ただ、関係各所への具体的な提案はこれからになる。 今後、県や富山市との協議も始まるという。スタジアム整備には行政の支援は不可欠となるため、協会は建設を求める署名を集めるなどして、県民の後押しを得ていくとみられる。