あいの風鉄道純利益94%減 運賃収入最高も人件費増
●24年度決算見通し、1100万円に あいの風とやま鉄道(富山市)は16日、2024年度の決算で純利益が前年度比94・5%減の約1100万円になるとの見通しを示した。伍嶋二美男社長は北陸新幹線敦賀延伸などの影響で、運賃収入が過去最高の31億円となる一方、物価高騰や人件費増額が響き、経常損益は約8800万円の赤字が見込まれるとし「厳しい経営状況が続く」と見通した。 富山市のANAクラウンプラザホテル富山で開かれたあいの風とやま鉄道利用促進協議会で報告された。 24年度決算では運賃収入は前年度比約1億8千万円増を予想する。北陸新幹線敦賀延伸や北陸デスティネーションキャンペーンにより定期外の利用が進み、4~10月の運賃収入額は18億2500万円で、前年同期比6・5%増となった。 ●利用者数2・6%増 4~10月の利用者数は全体で896万2千人、1日当たり4万1877人で、いずれも前年同期比2・6%伸びた。新型コロナ感染拡大前の19年と比べると3・4%減となった。 人件費はベースアップの影響で前年度比7746万円増の18億6569万円となったほか、物価高騰により動力費、業務費、修繕費なども大幅に膨らんだ。このため前年度9800万円の黒字だった経常損益は赤字に転じる見込みだ。純損益は4期連続で黒字を維持する見通し。 ●「一万三千尺物語」来年度料金2割増 観光列車「一万三千尺(いちまんさんぜんじゃく)物語」について、来年4月から料金を約2割増額する方針を示した。大人が現行の1万6500円から1万9800円、子どもが8千円から9900円にそれぞれ改定される。