「地肌見えてんじゃんw増毛しろよ」屈辱のひと言。薄毛に悩む50代主婦が夫との離婚を決意した夜の一部始終。
薄毛は今や、男性だけの悩みではない。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「男性の3人に一人は薄毛に悩んでいるといいますが、実は女性でも悩んでいる人はすごく多いんです。薄毛の原因は多様ですが、主にホルモンの影響やストレス、遺伝などが考えられています。AGEなどの治療も広がってはきたもの、すべての人ができるわけではありません」。 羞恥心、何より費用面で治療に踏み出せないケースも耳にする。 「AGE治療に限って言えば、保険外10割負担なので、1ヶ月あたり1万円以上かかることもあるそう。知り合いからは3万払ってると聞きました。そうなると簡単には治療できないのも頷けますよね…」。 髪の毛が薄いと一気に老けて見えることもあり、気にしておられる方も多いだろう。今回は薄毛に悩んでいる50代の女性に話を聞いた。 ----------------------------
栗山静香さん(仮名・50歳)は、関東近郊に住む主婦だ。45歳を超えてから薄毛に悩んでいる。 「スーパーのお惣菜コーナーで働いています。この職場を選んだのも仕事中に帽子をかぶるから。今は帽子がないと家から出ることもできません」。 薄毛になってからというもの外出することも極端に減った 「周りの視線が怖いし、とにかく恥ずかしくて…家から出るのはパートのときだけ。保護者会とかも子どもがバカにされるんじゃないかと気が気じゃなくて、行きづらくなってしまいました。ママ友を見かけても避けるようにして逃げ帰る日々です」。 薄毛については自身でも色々調べたらしい。 「女性ホルモンの低下や生活習慣、ストレスなどが原因とあったので、できることは見直してきました。でも一向に良くならず、むしろどんどん広がっているように感じます。鏡を見るたび落ち込みもあって、すごくツライ」。 ため息をもらす静香さんだが、AGEの治療はどうしても手が出ないそう。 「子供もまだ中学生でこれからお金がかかるところ。受験生で塾代もさらにかかりますし、来年は制服代などもある。簡単に治療に踏み出せるほどの金銭的な余裕はありません」。 そんな静香さんの心情をえぐるような出来事が最近あったらしい。 「結婚20年の夫とは、これまでそこそこ仲良くやってきたと思っていました。だからこそ、本当にショックで…」。 発端は来年開かれることになった甥っ子の結婚式だった。 「招待状が届いて私は内心、行きたくないなと思っていました。髪のことがあったので。でも親類の式ですし、ウィッグや帽子か何かをかぶるなど、何か手をほどこして行こうと考えていたんですけど…」。 夫から衝撃の発言が飛び出したのだ。 ーその髪はヤバいだろ。地肌みえてんじゃん。増毛でもいったら? 笑いながらそう言ったのだそう。この言葉に静香さんは深く傷ついた。さらに夫は、これまで思っていたことを赤裸々に語り始めて…。【後編】ではそのあまりにもひどい内容について追っていく。 取材・文/橋本 千紗