教団問題どこまで争点に、発覚後初の大型国政選挙 受け入れ広がる外国人材、人権侵害懸念に改善策は【衆院選2024】
衆院選が10月27日に実施される。有権者は何を思い、1票を投じるのか。(共同通信=深江友樹、岩井美郷) 【写真】山上徹也被告の元に、見知らぬ人々からの手紙が… 「親の献金でお金がなくなった」「家族が壊れた」。被告は返信していないものの、気にかけて…
▽教団との関係、各党は断絶を強調 2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家とのつながりが次々と表面化した。今回の衆院選は発覚後初の大型国政選挙だが、教団と政治の接点を巡る問題はどこまで重要な争点となるのか。識者は「問題のある団体との関わりの妥当性について、有権者が全国規模の選挙で態度を示す重要な機会だ」と指摘する。 「自民党の裏金問題では、小選挙区単独や非公認での出馬になった議員がいるのに、教団との接点があった議員は同じ対応になっていない」。関東在住で両親が信者の30代男性は残念そうに語る。国は教団への解散命令を請求したが、高額献金や宗教的な虐待などの被害救済策は始まったばかり。そもそも法整備が不十分との声も根強い。 男性は教団側の指示で選挙支援や投票をしたことがある。内部では選挙は「S」という隠語で呼ばれ、幹部が交流サイト(SNS)を使って若い信者を動員していた。
被害者支援に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が今回、各政党に教団との関わり方や対策などを問うた公開質問状に、自民党は「問題を受けガバナンスコードを改定しており、今後も順守した活動を徹底する」と回答。立憲民主党も「一切関係を持たぬよう徹底」とした。 各党は教団との関係断絶を強調するが、弁連の山口広(やまぐち・ひろし)弁護士は「接点があった候補者がどう反省し行動を改めるのか。演説を注意深く聞いて」と有権者に呼びかける。 ▽「救済には世論の後押しが必要」 政治家と教団との接点について有権者の判断材料にしてもらおうと、男性は公示前日の10月14日、接点の有無などをまとめた「統一決別 解散総選挙 国会議員データベース」をインターネット上で公開した。生成人工知能(AI)を活用して報道された接点などを整理し、どの候補者にどんな接点があったのかを分かりやすく提示。「教団問題を忘れないでほしい。被害救済には世論の後押しが重要だ」と求める。