「年収1000万円」の生活レベルとは? 「年収1500万円」との差は大きい?
「年収1000万円」は、一般的に高所得といえる金額です。その生活レベルが気になるという方も多いのではないでしょうか。そこからさらに収入が上がり、年収1500万円ともなると、生活レベルは一体どれほど上がるのでしょうか。 今回は、年収1000万円と年収1500万円の生活レベルをそれぞれシミュレーションし、どれほど差があるのかについても考えてみました。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
年収1000万円の生活レベルってどれくらい?
年収1000万円の生活レベルは確かに高い水準にあります。しかし、実際には驚くほど高いというわけでもありません。 厚生労働省の2022年国民生活基礎調査の概況によると、全世帯での平均所得金額は545万7000円です。年収1000万円の場合、所得は805万円(=1000万円-給与所得控除195万円)となり、これは平均所得の1.4倍強です。一般的に想像されるほど、大きなぜいたくができるわけではないように思われます。 ここで、総務省統計局の2022年家計調査の結果から、年収1000万円の場合における生活費の一例を考えてみましょう。 手取りを収入の73%と仮定すると、年間で自由に使えるお金は730万円、月々に換算すると61万円程度です。便宜的に、今回はこの61万円を全て消費支出に充てたとします。 家計調査の「二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支」に記載の支出割合(食料25.1%、住居6.3%、光熱・水道7.6%、家具・家事用品4.1%、被服及び履物3.5%、保健医療4.3%、交通・通信15.8%、教育5.7%、教養娯楽9.3%、その他の消費支出18.4%)を参考に生活費を求めると、以下のようになります。 図表1
※筆者作成
年収1500万円の生活レベルってどれくらい?
続いて、年収1500万円の生活レベルについても見ていきましょう。 年収1500万円の場合、所得は1305万円(=1500万円-給与所得控除195万円)となり、これは平均所得の2倍以上の額です。なかなか、生活水準が高くリッチな生活をしていると思われるのではないでしょうか。 しかし、年収1000万円のときと同様に、実際には年収額ほどのインパクトはないかもしれません。日本では累進課税が採用されており、所得が高くなると税負担も重くなっていくからです。 仮に、手取りを収入の68%と考えると、月々の手取りは85万円程度です。年収1000万円のときと同じように考えていくと、生活費の一例は以下のようになります。 図表2