【衆院選】選択的夫婦別姓 別姓家庭で育った女性がペーパー離婚し再婚して思うこと
当時について夫は。 「名字に妻ほど強い気持ちはなかったので、どっちが強いって考えたときに妻のほうが強い、それなら妻のほうにした方がいいだろうと」 一方で。 「夫である私の名字にした方がいいんじゃないと言われたときに、結婚前に名字の話を深く話して、結婚の勢いを壊したくない気持ちが私も少なからずあったんですね。なので、妻が諦める流れになったとき、私も正直安心したところがあります」 「そこから時間がたって妻と話し合いをする中で妻が本当につらそうなのを見て、そこでやっとこれは本当に解決しなきゃいけないし、当時もっと大事に捉えているべきだったと強く思って、それでこれは動くしかない、絶対そっちの方(妻の名字にすること)が正しい道だと思って親と話しました」
■家族で決めたペーパー離婚
「妻の悩みは本当に真剣なものでと親に説明したら、『あっ、そこまでだとは思ってなかった。なら絶対そうした方がいいよ』って」 家族で話し合い、名字を妻の姓に変えるため、一度ペーパー離婚。そして再婚することに。しかし、夫も望んで名字を変えたわけではありませんでした。名字が変わった状態で、手紙などが届くと違和感を感じるといいます。 今回の結婚を経て感じたことについて、夫は 「結果的にはですけど、結婚前にもっと話し合っておけばよかったというのはあります。ただそもそも、選択的夫婦別姓制度が認められていれば、議論にもなっていないはずなので。今思えば妻もつらい思いをしたし、私も特に望んだ議論ではなかった。本当に制度さえ整っていたら誰もこんなつらい思いせずに済んだのにと思うと、なんで認められていないんだろうっていう思いがより強くなっていきましたね」
■「名前と結婚をてんびんにかけないといけないのはおかしい」
1996年の法務省での法制審議会の答申では、すでに選択的夫婦別姓の導入が提言されていました。それからおよそ30年。現在も選択的夫婦別姓制度の議論は続いています。 スミス・ミッシェルさん 「進まなさすぎだと思います。高校生くらいのとき、両親は夫婦別姓なのに日本人同士だと認められないとわかったときには、自分が結婚するときには導入されているだろうと思っていた。でも実際結婚した時にまだ導入されてないのは、すごいやるせなさを感じました」 「せっかく結婚の制度を使いたい人がいるのに、門戸を狭めてどうするんだって。本当に選択肢を一つ増やすだけ。やらない理由がないのになって思います」「名前って本当に自分の一部。そもそも当たり前にあるべき権利だと思うんですよね。それを結婚とてんびんにかけて選ばないといけないような事態が存在することがよくない」 夫は、こう話します。 「この話で重要なのは選択的であるということだと思う。家族でみんな名字が同じというのを望む人はそれを選べばいいし、別にしたいという人は、別にすればいいしっていう選択を生む話なので、必ずしもみんながみんな、別にしなきゃいけないということじゃないことを今一度、考えるべきなんだと思います」 選択的夫婦別姓制度の導入には根強い反対の意見もあり、今回の衆議院選挙でも各党の主張は異なっていて、今後の議論が注目されます。