貨物自動車運送の加藤運輸(千葉)が民事再生
加藤運輸(有)(TDB企業コード:260496950、資本金680万円、松戸市小金きよしケ丘3-12-13、代表加藤健一氏)は、3月22日に債権者より千葉地裁へ民事再生法の適用を申請されていたが、10月25日に再生手続き開始決定を受けた。 監督委員には、山村清治弁護士(みどり総合法律事務所、千葉市中央区中央3-10-4、電話043-224-2233)が選任されている。当社代理人は樋口收弁護士(敬和綜合法律事務所、東京都港区赤坂2-11-7、電話03-3560-5051)。 当社は、1975年(昭和50年)4月創業、79年(昭和54年)7月に法人改組した貨物自動車運送業者。食品容器、食品、農業資材などの食品関連を主体とした運送事業を手がけるほか、燃料の卸売り、ビニールのリサイクル事業、倉庫賃貸業なども行っていた。この間、同業者をグループ化して業容を拡大、2021年7月には埼玉県内に物流センターを開設するなど、積極的な投資を行い、保有トラックは約320台にのぼり、2022年3月期の年収入高は約72億8900万円を計上していた。 しかし、倉庫や物流センター、リサイクル工場への積極的な設備投資に伴い借入金が年商を上回る規模に膨らんでいたうえ、物流センターの稼働率が上がらず、グループ企業への貸付金などにより収益は圧迫され、2022年3月期には約3億5000万円の当期純損失を計上。このため、金融機関からリスケ支援を得て繰り回すとともに、収益が低迷していた青果の運送事業及び関連不動産を譲渡し、事業の撤退を企図したものの、譲受人と係争が発生していた。 係争先への牽制の目的で、今年3月22日には元子会社が当社に対し民事再生法の適用を申請したが、係争は終結せず、その後、私的整理を目指していたものの信用不安が広まり業況が悪化。金融機関の期限の利益が喪失し、取引先から保証金の積み増しを求められるなど、急速に資金繰りが悪化していた。 負債は、債権者約530名に対し約68億円が見込まれる。 なお、事業は継続中で、10月21日付で加藤健一氏が新代表に就任しており、今後はスポンサーを募り、いわゆる「第二会社方式」で事業譲渡などを行う方針。既に、スポンサーとしての支援に前向きであるとの表明を行う先もあり、スポンサー探索のプロセスの透明化、公正化の観点から、(株)アクイラパートナーズ(TDB企業コード:894034048)をFAに選定する予定で、今後のスポンサー募集についての問い合わせ窓口も同社を予定しているという。