食通の京都人が太鼓判!底冷えの京都で味わう「かぶら蒸し」と「鍋」名店3軒
【水だき萬治郎 [祇園北側]】 京都府京都市東山区新橋通大和大路東入ル元吉町58 営業時間/17時~22時(19時30分最終入店) ※夜営業は10月~5月。 定休日/年末年始 料金/水炊きコース8,250円(1人前、サ別)※写真は4人前
【冬の美味・かぶら蒸し】「『割烹やました』のひと椀は出汁の味わいが格別です」 ー近藤 幸さん
一之船入など歴史的名所もある高瀬川沿いの道を御池通から北へ。木屋町通に面した「割烹やました」は、数少ない正統派の割烹です。いまでこそ、品書きも置くようになりましたが、かつてそれもなかったそう。 料理人歴60年という店主の山下茂さんに相談して、旬の魚や野菜を料理に仕立ててもらうのです。冬ならば、牡蠣鍋やふぐ鍋といった小鍋のほか、近藤さんが薦めるかぶら蒸しは、ぜひとも味わいたい一品。客前で蒸し上げて、熱々で出されるご馳走です。 きめ細かでこの時季甘みを増す聖護院蕪をすり下ろして卵白のメレンゲと和え、きくらげを混ぜ込み具材の上に。かぶの下に潜むのは、甘鯛や海老、百合根、ぎんなんといった冬の美味。 蒸し上がったあと、湯葉を加えた香り高い銀あんがたっぷりとかけられます。口に入れるとかぶの優しい甘みが広がり、出汁の香りがふわっ。かぶの上に飾られたにんじんの色合いも鮮やかで、蓋を開けた途端に、思わず歓声を上げてしまいます。 【おすすめメモ】 かぶら蒸しをはじめ、「割烹やました」さんの蒸し物は、蓋を開けたときの湯気を楽しむところから。お出汁のおいしさ、きめ細かな舌触りは格別です。なんとも幸せな気持ちになります。
【割烹やました [木屋町御池]】 京都府京都市中京区木屋町通二条下ル上樵木町491-3 営業時間/11時30分~13時30分、17時~22時(いずれもL.O.) 定休日/月曜 料金/昼5,445円~、夜14,520円~、かぶら蒸し2,680円~、そのほかアラカルトあり 撮影=高嶋克郎 取材・文=中井シノブ 編集=吉岡博恵 須田秀子(婦人画報編集部) 『婦人画報』2024年2月号