食通の京都人が太鼓判!底冷えの京都で味わう「かぶら蒸し」と「鍋」名店3軒
京都在住の情報通の方たちが太鼓判を押すお店をシチュエーション別に教えていただきました。冬の美味「かぶら蒸し」と「鍋」の名店をご紹介します。
【冬の鍋】「『権太呂』のうどんすきは京都らしい風情も一緒に味わえます」 ー小宮理実さん[料理家]
1910年に大阪で創業し、1960年に麸屋町錦で店を開いた麺処「権太呂」。現在は四条の本店も含め3店舗を構えます。京都の水と羅臼昆布、うるめいわしや鯖など吟味した節で取る出汁が味の要です。仕上がった出汁は、美しい琥珀色を帯びることから、「黄金の一汁(ひとしる)」と命名されるほど。 この出汁を用い、錦市場から仕入れる活車海老や新鮮な蛤、地の白菜や水菜などを具材にした「京風うどんすき 権太呂なべ」は看板商品。まずは、かしわ(鶏肉)や海老、巻き湯葉、しいたけなど出汁を含んだ具材を味わいましょう。ころ合いを見計らい、ツルッと喉越しのいいゆでたてのうどんが運ばれます。 数寄屋造りの本店には、テーブル席のほか座敷や広間もあり、宴の場としても重用されています。 【おすすめメモ】 「権太呂」さんの名物鍋は、京都人のお歳暮の定番としても知られる品。京都らしい風情ある店内でいただくのがまた格別です。生きた海老や新鮮な具材を引き立てる出汁のおいしさを堪能したい。
【権太呂 本店[麩屋町四条]】 京都府京都市中京区麩屋町通四条上ル 営業時間/11時~21時(L.O.) 定休日/水曜 料金/権太呂なべ5,000円(1人前)※写真は2人前
「『水だき萬治郎』の水炊き鍋は白濁したスープが滋味深く絶品」 ー細尾多英子さん[「HOSOO」ディレクター]
1948年の創業以来、水炊きコースで客をもてなす知る人ぞ知る名店。祇園北側、辰巳神社そばの路地を入った突き当たり、趣ある町家がその店です。料理は、先付の肝煮が出て、まずは白濁したスープを一杯。 「鶏ガラを10時間ほど煮込んで寝かせ、上に煮凝る脂を何度も取り除いて取る白濁した出汁が一番の自慢です」と3代目女将の谷口眞輝子さん。しょうがと少しの塩を加えて味わうと、深くて清らかな鶏の旨みが体に染みわたります。大山若鶏や白菜など冬の野菜がたっぷり入った水炊きを堪能し、締めの雑炊。 女将さん曰く、「この雑炊がメイン料理」。歴史を感じる空間と懐かしい味わいの水炊きに、心身が癒やされます。 【おすすめメモ】 奇をてらわない、昔ながらの水炊きが味わえます。巽橋など名所からも近い、祇園の路地奥にある風情たっぷりの立地も魅力。水炊きは10月から5月まで限定。春夏はお昼に親子丼がいただけます。