「テレビ的なお笑い」が苦手なラバーガールがTikTokで見つけた自分たちの強み
ネタ30本を暗記している脅威の記憶力
――どちらも面倒臭がりでネタ作りでは台本を作らないと聞きました。今もそうなんですか。 飛永:僕は、今はさすがに記憶力が低下してきたので、PCに入れるようにはしているんですけど、大水くんはネタ合わせのとき、何も持っていないです。大水くんがスマホ持っているときはだいたいゲームやっているとき。 大水:それか、「大谷打ったかな」とか調べているとき。 ――台本を作らないのは怖くないですか。やっていく中でその方がスムーズだったんでしょうか。 飛永:台本を作らなくても覚えていられたから。自分たちで作っているから、無理な流れがないというか。リクエストされたネタをやるライブもあるので、今も30本ぐらいすぐネタができますよ。 ――すごいですね、お2人だからできることですよね。周りの芸人さんに驚かれないですか? 大水:驚かれます。でも逆に、みんなできないんだとびっくりしました。 ――お2人とももともと暗記が得意でしたか。 大水:僕は得意な方でした。小学校の頃、国語の教科書を全部暗記していました。先生の黒板の板書もみんなはノートをとっているけど、そのまま見て覚えちゃう。覚えるのは得意なんだろうなと思うので、その能力を勉強に生かせば、それなりの大学とか行けたと思います。 飛永:書かないことで覚えている部分もありますね。書いたらそれに頼っちゃうところがあるから。最近だと逆に、YouTubeなどにあげたら後で確認できるから、記憶が低下しているところがあります。
TikTokは単独ライブに近い
――TikTokやYouTubeやなども好評ですが、表現方法がハマる場所が増えてきた感じですか。 飛永:TikTokやYouTubeは単独ライブに近いのかもしれないですね。全部自分で考えてセルフプロデュースして出すという行為は、ライブが映像になった感覚なのかもしれないです。テレビってやっぱりプロデューサーやディレクターがいて、MCがいて、誰かが作ったものに参加できるかどうかみたいなところがあるけど、僕らはそこがあんまり得意じゃない。だから、単独ライブもTikTokとかも、自分たちで全部やるのは合っている気がします。 ――ユーザーの反応や数字を見てネタを決めたりするのでしょうか。 飛永:こういう理由で伸びているんだろうなという系統は見えるけど、伸びているから同じものやる、ということはありません。やっぱり自分たちが面白いと思えるかが重要ですから。 あと最近感じるのが、自分たちが面白いと思うものと、みんなが求めている数字が取れるものとで2~3年のズレがあるんです。僕たちのネタを元にした商品紹介の依頼も最近いただくんですが、2~3年前のネタだったりする。このズレをどうするかがいまは課題です。