【JAIA試乗会】期間限定商品 ランドローバー ディフェンダー 110 V8
走り始めても普通に乗っている限り荒々しさは無縁だが、それでもディーゼルエンジンのディフェンダーとは圧倒的に違うパワー感とエンジンフィールである。好き嫌いは別としても確実にどこかから、V8の低いうなり声が聞こえてくるが、そのサウンドも昔の古いOHV時代のレンジローバーV8を彷彿とさせるような、どことなく優しい音質である。
そんな古い時代のレンジローバーと最も違うところは、このエンジンが実によく回ることで、5リッターものV8が6000回転以上もシューッと回るのを体感すると、時代はこういう進んだなぁ、と思うと同時に、こんなエンジンを堪能できる時間はもうそれほど長くない、ということにも気づく。実際問題として、このディフェンダーV8は2024年一年間の限定発売だというし、もうこういう大排気量最後の数年に我々は立ち会っているのかもしれない。ずるいかもしれないが純粋な内燃機関を味わっておくなら今のうち、かもしれないし、この大きさ(特に全幅の1,995mm)に抵抗がないのであれば、諸種のスーパースポーツと違い、日常使いできるだろう。
くどいようだが僕ならばディフェンダーにはディーゼルエンジンを必ず組み合わせるが、初代レンジローバーや初代のディフェンダーを、V8モデルで乗っていた方ならば、今回のモデルは、「5.9km/ℓ」と表示されていた燃費計の数値も含めて、きっとすんなりと受け入れてもらえるはずである。
大林晃平