コンドーム一択の日本 避妊は”男性主体” 薬局で買えるピル・緊急避妊薬・腕に入れるインプラント・・・海外では安価で選択肢も豊富 大切なのは”女性が決める”権利
■大切なのは”女性が決める”権利 いちばん大切なことは、リプロダクティブヘルス&ライツ、=性と生殖に関する健康と権利です。 つまり、妊娠、出産、避妊、中絶にかかわることについて、自分が決める権利を持っているということです。 2022年、国連人権委員会は日本に対し、包括的性教育を推進するよう勧告しましたが、政府は、「妊娠の経過を取り扱わない」という学習指導要領に沿って性教育を実施しているとして、「受け入れない」と回答しています。 日本の性教育では性交や避妊・中絶については教えないのです。 ■日本の性教育「極めて遅れている」 高向教授と共同研究をしている上智大学の田中雅子教授は、海外の事情と比較して日本の性教育の遅れを指摘します。 上智大学総合グローバル学部 田中雅子教授(57)「私たちは義務について学ぶことは多くても、権利について学ぶということがないまま大人になっているので、まず人権全体が教育されておらず、さらにその中で生殖や性の権利となると、ほぼ口にすることもないように大人になっていくのが普通なので、日本は極めて遅れている国のひとつだと思います。ヘルスサービスに関しても、日本はベトナムやネパールから来た人は、日本以上に選択肢がないところから来てるって勝手に思い込んでいますけど、まったく逆なんです」 さらに国連人権委員会は、中絶や避妊薬についても購入可能な価格帯で入手できるよう勧告しています。 日本での人工妊娠中絶数は2022年は12万2725件です。田中教授は、妊娠しても出産に至っていないことについても、自己決定の権利意識の低さが影響しているとみています。 上智大学 田中雅子教授「中絶しやすくなるのは、実際に少子化とか晩婚化といわれている話と矛盾しているようにみえて、多分、根っこのところは一つで、自分が自己決定したい、だから今、こういう選択をしたいということが言えなくて、予定外の妊娠をしてしまうぐらい避妊に関して知識がない。その延長線上にいつなら妊娠しやすいかという知識もないことに繋がるので、やはり性と生殖に関する教育自体が欠けているのが大きいと思います」
RKB毎日放送 大村由紀子
RKB毎日放送
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