ボーイング司法取引、米連邦地裁が認めず 墜落事故巡り
Mike Spector Allison Lampert David Shepardson [5日 ロイター] - 米テキサス州の連邦地裁は5日、航空機大手ボーイングが2度の「737MAX」墜落事故を巡り合意した司法取引を認めない判断を示した。合意に盛り込まれた多様性に関する条項を問題視した。 同社は7月、2018年と19年に起きた墜落事故を巡り詐欺罪を認め、罰金を支払う司法取引で合意した。安全・コンプライアンス(法令順守)プログラム強化への支出や、独立機関による法令順守監視にも同意した。 だが、連邦地裁は独立機関の選定基準に関し司法省の多様性ポリシーに言及した部分を問題視。独立機関の選定と監督で裁判所の役割を軽んじているとも指摘し、合意内容は公共の利益にならないと判断した。 裁判所が当事者間で争点とならなかった問題を理由に司法取引を認めないのは異例。 ボーイングと司法省は30日以内に対応方針を示す必要がある。司法省は裁判所の判断を精査していると述べた。同省とボーイングは上訴のほか、再交渉した合意を提示するなどの選択肢が考えられる。