東京五輪挑戦より世界陸上を選択したプロマラソンランナー川内優輝の選択は正しかったのか?
23時59分スタートという前代未聞の深夜レースになるが、「日本で23時59分に走るのは大変ですけど、ドーハの23時59分は日本時間の朝5時59分です。仮定として時差を調整しないで走るとどうなるのか。プロになったので、平日でもドーハに行くことができます。どこかのタイミングで出かけて、一度試してみたいですね」と本番のシミュレーションも考えている。 「ドーハ世界選手権は自分自身が日本代表として活躍できる道だと思います。プロに転向して市民ランナー時代に越えられなかった壁を越えられたなと思っていただけるようなレースをしたい。思ってもできなかったことが、ようやくできるわけですから、自分自身の可能性にワクワクしています」 18年ボストンマラソン優勝という大勲章を持つが、世界選手権で入賞できれば、「川内優輝」というランナーの価値はさらにあがる。所属先や契約している企業からボーナスが出ることも考えられる。可能性の高い場所を選んで戦う。MGCではなく、ドーハ世界選手権に出場することは、プロランナーとして“賢者の選択”ではないだろうか。 (文責・酒井政人/スポーツライター)