2ステ制は成功か?浦和は営業収入アップ!
2008年シーズンには80万人を突破したレッズの観客動員数は、その後の度重なる監督交代に伴う成績不振もあって、2011年シーズンには57万6477人にまで落ち込んだ。 サポーター歴が10年を超える東京都内在住の20歳代の男性は「チームが低迷していたときに、昔からのレッズファンが離れていってしまった」と指摘した上でこう続ける。 「当時はレッズのサッカーそのものがつまらなかったこともありますが、いまは一度離れたサポーターが再びスタジアムへ足を運んでいる感じがします。やはりホームで全部勝っていることは大きいですよね」 レッズがかつての強さを取り戻したことと、ファーストステージの優勝争いが佳境を迎えた相乗効果が、8試合消化時における観客動員数を上向かせていることになる。2ステージ制のプラス効果が表れていることになるが、前出のサポーターは「僕たちは『ファーストもセカンドもすべて獲って、JリーグにNOを突きつけてほしい』とお願いしました。その目標への第一歩を達成してくれた意味で、今回のタイトルは価値がある。この先、勝ち続ければ、一度離れたファンがさらに帰ってきて、初めてリーグ優勝した2006年やACLを獲った2007年のときのような雰囲気に埼玉スタジアムが戻っていくのでは、とも思っています」 レッズの選手たちも、「目指しているのは年間優勝」と異口同音に通過点であることを強調。セカンドも制し、年間総合勝ち点1位チームとしてチャンピオンシップ(CS)決勝戦へシードされることを新たな目標にすえている。 Jリーグ側が描いた戦略通りにセカンドでもレッズが優勝争いに加わり、11月の最終節へ向けてヤマ場を増やしていけば、必然的に収入の柱となる入場料収入もアップしていくわけだ。 2014年度の入場料収入を総観客数(60万3770人)で割ったチケットの平均単価(3282円)で計算すると、昨年同時期で5万1621人増となっている今シーズンはすでに約1億7000円の増収となり、さらにファーストステージの優勝賞金5000万円が加わる。 現状のままで推移すればリーグ戦の総観客数は約69万人に達し、展開次第では2009年シーズン以来となる70万人台到達も決して不可能ではないだろう。 そこにホーム&アウェーで争われるCS決勝戦の入場料収入やセカンドの優勝賞金5000万円、年間勝ち点1位のボーナス8000万円、そしてCS覇者に贈られる1億円を手にできるかどうか。今後の選手たちの頑張り次第で、昨年度から大幅な収入アップが見込めることになる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)