「金利8%だと預金が2倍になるのに9年 今の0・02%だと計算上は3600年」 埼玉大学で金融リテラシーについて講演 「日々の情報に関心持って、知識と判断力を」
埼玉大学で「金融リテラシーの基礎~ライフラインと資産形成」と題して講義が行われた。関東財務局が提供する寄付講座の一環で、金融総括課長の水島裕貴さん(51)が講師を務めた。180人収容の大教室の9割ほど埋まり、参加した学生は熱心に耳を傾けた。 1番の「1万円札」寄贈 福岡の男性から深谷市に 偶然、両替で入手したお札 市が入手を熱望していること知り、寄贈
水島さんはまず、金融リテラシーについて、「経済的に自立し、よりよい生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のことです」と説明。日々の家計管理や老後に備える生活資金をどうためるかがテーマだが、「お金の余裕ができた時にためるのは案外難しい。先にためる分を引くことがポイント。そして無理のない範囲でお金をため、増やす仕組み化が大事です」と話した。 続いて金利やリスク分散について説明。72を金利で割り算すると元金が2倍になる年数が分かる「72の法則」はアインシュタインが発見したとされる。その上で水島さんは「皆さんのおじいさんの時代は金利が8%。72の法則だと預金が2倍になるのに、約9年だった。お父さんの時代には金利6%で12年だった。ところが今は、金利は0・02%で計算上はなんと3千6百年です」と語った。 お金を増やすには株式、債券、投資信託などへの投資があり、水島さんは、それぞれの魅力やリスクを解説。運用益が非課税で政府が推奨するNISA(少額投資非課税制度)についても説明した。
最後に、水島さんは「心得てほしいこと」として「投資は投資家の判断と責任で行うことで自己責任が原則。日々の情報に関心を持ち、金融の知識と判断力を身に付けよう」と呼びかけた。