平野紗季子さんが選ぶ、鉄板手土産3つ
手土産を贈るにも極意がある。そこで、“お菓子の達人”として知られる平野紗季子さんに贈るのがもっと楽しくなるギフトの極意を教わった。『エル・グルメ No.42』掲載。 平野紗季子さん フードエッセイスト・フードディレクター。福岡県出身。幼い頃から食への好奇心が旺盛で、慶應義塾大学在学中にそれまでの食日記をまとめたエッセイ『生まれた時からアルデンテ』出版。8月29日に最新のエッセイ集『ショートケーキは背中から』(新潮社)が刊行予定。 Photos SHINTARO OKI Styling MAKIKO IWASAKI Special Thanks UTUWA
ライトな遊び心のある、お気に入りの品々を贈りたい
手土産センス抜群な平野紗季子さんの贈る極意を教えてください!とお願いしての取材だったけれど、当の本人はどこか不思議そうな顔。 「人においしいものを贈るのは私の日常で、極意というかそれほど特別なことではないんです」と言う。 けれど、聞けばやはりそこには気づきや驚きが満載だ。例えば「鉄板土産たるもの、無理して入手するのではなくいつでも気軽に購入できるものであるべし」という平野ルール。 よく行くスタジオの近所にあるベーカリーのパン・ド・ミは、ヘビーユースの逸品だ。入手しやすく安価で相手に気を使わせず、しかも手軽に楽しめるというのが、文字どおり鉄板手土産としては理想的と言う。 「親しい友人なら、開封後のものをおすそ分けすることも」というのも目からうろこのアイデア。もちろん生ものや切り分けるものだと無理だが、数個減ったおいしいお菓子と共に「本当においしかったのでどうしても味わってみてほしくて」と渡されたら、確かに説得力抜群だ。自宅の冷蔵庫やパントリーには常に日持ちするアイテムが詰まっており、旅先でおいしそうなお菓子を見つけると必ず複数個買うというからあっぱれだ。 平野さんを見ていると、知識量ではなく好奇心と愛情の量がギフト達人の理由だなと思わせられる。 「でも最も大切なのは自分の大好物を贈ることです」というのが、平野ルールの最重要ポイント。お見事!