「ああ、マンション買えたな~」な昭和のカスタム沼伝【昭和エモ伝Vol.5】
そうしてるうちに、興味はエンジンチューニングに発展。ヨシムラのZ2用ボアアップキット(860cc)の存在を知り、横浜にある○富オートに向かった。理由は練馬の自宅から一番近いヨシムラ取扱店だったから。行ってみてわかったのは、メカの○沢さんがZでレースをやっていて、自分で使いたいからヨシムラ製品の取り扱いを始めたとのこと。バイクを預けてワクワクの内に自宅に帰ると、さっきまで話していた○沢さんから電話がかかってきた。 「牧田くんのZ、店の前に置いといたら車に突っ込まれちゃってねぇ……」と、人生初の全損報告。 「どうせ直すならついでに色々やろうよ」とのことになり、当初は860ccへのボアアップだけだったのが、レーシングカムに強化バルブスプリング、ノーマルキャブの口径拡大、フロントダブルディスク化、ローターの肉薄加工、リヤサスをヨシムラS&Wと大作業に。その間にシリンダーヘッドを持ち帰り、自分でポート加工もやってみたりと、カスタム沼にズブズブと足を踏み入れていったのでした。
初めてのエンジン全バラがZ2
その完成から半年もしないうちに、「Z1のクランク注文するんだけど一緒にどう?」と○沢さんから次なるお誘い。たしか3万円ぐらいだったかなぁ。店のピットと工具を貸してやるから、自分でクランクの組み込みをやりなさいと。初めてのエンジン全バラがZ2ですよw。エンジンをひとりで運んでいたもので、ぎっくり腰になったというオマケももらいました。で、排気量は987ccのハイコンプ。キャブはヨシムラ・ミクニのスーパーキャブ。 どんな感じかというとトルクが凄かった。クラッチミートしてゆっくり走り出し、アクセルを一旦もどしてガバっと開けるだけで、あのロングホイールベースで重いZ2がそのままウイリーしてくれるほどでした。そのZ2では筑波のライセンスを取ってサーキット走行をしたり、映画やドラマの撮影に行ったり、はたまた気が向くと大学へも行ったりしてw。まぁ、この仕様でZ2は10年近く乗りました。 ──暴走族映画の撮影がない時はこんな感じでカフェレーサー仕様。紙焼き写真の変色で凄い色味になってますが、実際はカワサキワークスのカウルの破片を貰って塗装屋に調色してもらったライムグリーンでした。のちに本文で触れた改造をバリバリするのですが、残念ながらその写真は残ってませんでした。