手芸がメンタルヘルスを向上?創作活動が精神的な健康を改善することが研究で判明
アートやハンドクラフトなどの創作活動は、仕事を持つことと同じくらい精神の健康を向上させることが研究によって明らかになった。 〈写真〉手芸がメンタルヘルスを向上?創作活動が精神的な健康を改善することが研究で判明 これまでの研究においても、精神的に問題を抱える人々にとってアート制作やハンドクラフト(手工芸、ものづくり)がセラピー効果を及ぼすことが示されてきたが、一般の人々については研究が不十分だった。そのため、アングリア・ラスキン大学の認知心理学者ヘレン・キーズ博士率いる研究チームは、疾患と診断されていない一般の人々を対象に、アート制作やハンドクラフトが幸福にどのように貢献し、それが日常生活における孤独感を軽減する可能性があるかを調査した。 ■ハンドクラフトと人生の満足度 研究チームは、2019年から2020年にかけて英国で実施された主要な全国調査のデータを使用し、英国在住の16歳以上の7,182人の回答を分析した。性別、年齢層、健康状態、雇用状況、貧困などの幸福に影響を与えることが知られている要因を調整しながら、創作的な活動が生活満足度にどのような影響を与えるかの調査を行った。調査では、人生に価値を見出せていると感じる度合い、孤独を感じる頻度、そして主観的な幸福度、不安感、人生の満足度についても尋ねた。 結果、幸福度、人生の満足度、人生に価値を見出せていると感じる度合いは、アート制作やハンドクラフトに携わっていることと正の相関関係があることが明らかになった。 「ハンドクラフトやその他の芸術的活動は、自らの人生に価値があるという感覚を人に抱かせる上で、有意義な効果をもたらすことが示されました。」と、キーズ氏は語る。 さらに、「ハンドクラフトがもたらす影響は、就労がもたらす影響よりも大きい。ものづくりは達成感をもたらすだけでなく、自己表現の有意義な手段でもあります。これは就労では必ずしもそうなるとは限りません。」と述べている。 創作的な趣味を好む人々は幸福度が高いと報告してはいるものの、孤独感の度合いには目立った変化はなかった。多くの創作的な趣味は一人で行うものであることを考慮すれば、これは驚くことではない。 ものづくりは、創作を通して達成感や自己表現の機会を得ることを可能にする。 「達成感は幸福にとって重要であり、アート制作やハンドクラフトには本質的に達成感が伴います。つまり、自分の進歩を実感でき、自分が作り出しているものに誇りを持つことができるのです。」と、キーズ氏は話す。 ■試してみよう 精神科医フランク・クラーク博士は、創造性を発揮する安価な方法として、塗り絵を提案する。 「塗り絵は子供向けのものと考える人もいるかもしれませんが、私は大人のための塗り絵の本が大好きで、全ての人に、童心に返ることをお勧めします。塗り絵は、健康に多くの効果をもたらすマインドフルネスな活動の一例です。集中力を高め、創造性を刺激するのに役立ちます。」と述べている。 また、もし自分が芸術的または創造的だと思えない場合に、自身の創造的な面を引き出すための4つの提案をしている。 自分が創造的であるという可能性について前向きに考える 新しい活動に挑戦するリスクを恐れない 興味をそそる創造的な分野で活躍する人々との関係を築く 子供の頃に創造的に取り組んだことを思い出し、もう一度やってみる 「創造性には、回復力や修復力、和解力を育む力があります。それは、人間に意味や目的を与えることができる、精神的な解毒剤のようなものです。」と話す。 出典: Making arts and crafts improves your mental health as much as having a job, scientists find|CNN Health Arts And Crafts Improves Mental Health, Finds New Study|Forbes 文/HIDEMI
HIDEMI