4月から新社会人なのですが、3月中の「入社前研修」に参加しろと言われています。入社前なので「無給」らしいのですが、これって違法じゃないんですか? 入社後の評価に関わると思うと断れません…
就職活動で内定を得てから、実際に働くまで長く時間が空く場合があります。会社によっては入社前に研修を行うこともありますが、入社前だからという理由で賃金が支払われないケースが少なくありません。 「研修は自分が成長するためなのだから、無給で当たり前」、もしくは「入社していないのだから給料が出なくて当然」と言われてしまうと、納得してしまうかもしれません。 しかし、仕方ないと割り切って、無給で会社に行かなければならないのでしょうか? 本記事では、賃金が支払われない入社前研修に問題がないのか、解説していきます。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
そもそも研修は労働時間に含まれる?
大前提として、研修であっても労働時間になるケースがあることを知っておきましょう。「研修は自身が成長するためのものだから、労働時間には含まれない」と主張する会社もあるかもしれませんが、それは大きな間違いです。 厚生労働省によると、労働時間における「研修・教育訓練」等の取扱いについて「業務上義務づけられていない自由参加のものであれば、その研修・教育訓練の時間は、労働時間に該当しません」と定められています。つまり、会社から指示がある研修や、内容が業務に深く関わる研修への参加は労働時間とみなされるのです。 入社前であっても、この基準は変わりません。無給であることが違法であるかは、この研修が「業務上義務付けられているものかどうか」で判断されます。
無給の入社前研修が違法となるケースは?
会社が参加を義務付け、業務に必要な知識やマナーを身につけさせる目的で行う場合は、当然義務付けられている業務になりえます。中には、実際の業務に従事させる会社もあるようです。このケースであれば、入社前であることを理由に賃金が支払われない場合は、当然違法といえます。 会社が自由参加としている場合や、研修内容が業務と関係しない場合であっても、全てが無給になるとは限りません。参加しないことで不利益を被る場合は、労働時間に当たると判断されます。 具体的には、出席しないと評価が下がる、研修の出席者が優先的に配属先を決められるといったケースが挙げられます。内容が懇親会のようなものであっても、事実上出席しなければならない場合は業務と認められ、賃金が発生するのです。 さらに、支払われる給料は最低賃金以上の金額をもらう権利があります。例えば東京都の場合は最低賃金が時給1113円ですので、8時間参加して給料が5000円しかもらえないといった場合は違法です。また、研修が1日8時間、週に40時間を超えた場合には割増賃金の対象になります。